大菩薩嶺は標高2057mの山で日本百名山でもあります。小説で有名な大菩薩峠も近くにあり登山中に訪れることも可能です。関東近郊であれば公共交通機関でもアクセスしやすく、かつ途中ロープや梯子を使わないといけないような難しいところもありませんし、日帰りで登れます。しかも道中富士山や南アルプス、八ヶ岳を見れると至れり尽くせりの山です。関東近郊に住んでいる方なら高尾山や筑波山に登った後のステップアップで登りに来ることをおすすめします。
暑い暑いお盆の夏、私は限りある休みの中登りやすさと標高の高さから大菩薩嶺を選んで登ることにしました。
上日川峠から登り、福ちゃん荘を経由して大菩薩峠へ。大菩薩峠からは富士山や南アルプス、八ヶ岳を見ながら大菩薩嶺の稜線を歩き、大菩薩嶺からは鬱蒼とした樹林帯を丸川峠を経由して大菩薩の湯まで歩いてきました。
もくじ
🔖 大菩薩嶺までのアクセス
🔖 上日川峠から大菩薩峠までは登りやすい道が続く
🔖 富士山をバックに大菩薩の稜線を歩く
🔖 丸川峠のルートは大菩薩の稜線とは違う樹林帯と静かな山歩きを楽しめる
🔖 真夏の大菩薩嶺は暑かったけど、素晴らしい景色が広がっていた
大菩薩嶺までのアクセス
大菩薩嶺を日帰りで登ると次の2つの登山口があげられるかと思います。
・上日川峠
大菩薩嶺登山では1番のメジャーな登山口で標高が1500m超えています。中央線の甲斐大和駅から季節限定(冬山シーズンを除く)でバスが出ているので、公共交通機関でアクセスもしやすいのが特長です。
上日川峠には駐車場もありますし(シーズンはすごく混雑しそうですが)、ロッジ長兵衛という山小屋やキャンプ場もあるので宿泊して大菩薩嶺に登るという選択肢も良いでしょう。
ただし、甲斐大和駅には特急は停まらず、普通列車が1時間に1本程度停まるだけです。特急に乗った場合は大月駅もしくは塩山駅で乗り換えが必要です。
今回の登山では登る時に利用しました。
栄和交通バス
名前はいかにもという名前ですのですが標高は800mほどと大菩薩嶺まで登るとなると1200m登ることになります。アクセスは特急が止まる塩山駅からこちらもバスで30分ぐらいで着きます。市民バスなので料金も300円なので格安なのも魅力です。一年中運行しているので冬季に登る時や平日に登る時は大菩薩嶺登山口から登ることになります。
今回は下山に利用しました。
上日川峠から大菩薩峠までは登りやすい道が続く
甲斐大和駅からのバスに乗ろうとしたのですが、バスは満員でした。乗っていいのって思ったけど乗っていいとのことで乗ることに。案内で気づいたのですがこの便は臨時バスということで少し早く出てくれました。ホームページに案内とかは載っていなかったので、おそらくは早くから並んでいた方が乗ったのかなと思います(ちなみに定刻通りのバスも非常に混んでいました。乗れなかった方もいそうです)。
上日川峠にはロッジ長兵衛という山小屋もありますし、トイレも水洗です。
いざ、出発進行!
大菩薩峠までの道は非常に整備されているので非常に歩きやすいので、山登り始めてみて高尾山や筑波山のステップアップにうってつけなんです。
アップダウンはあるものの登る時に岩はほとんどなく危険な箇所はありません。
登山道と並行して舗装された道もあります。こちらはこの先にある福ちゃん荘向けの道となりますので一般車は通行不可ですが歩くことなら問題はありません。歩き始めて25分で福ちゃん荘に到着です。
こちらの福ちゃん荘も山小屋で売店や宿泊営業しています。また、テントサイトもあります。
福ちゃん荘に桃が売っていたので購入しました。
150円と非常に安かったのですが、とても甘くスーパーでなら1個500円で売っていてもおかしくはない味でした。糖分と水分が同時に摂取できる点も登山にとってはありがたいですね。
福ちゃん荘から大菩薩峠までは50分で到着ですが、危険箇所がほとんどなかったので35分ほどで到着しました。ただ、暑くて汗がだらだら垂れてきました。
南アルプスや八ヶ岳がくっきり見えました。
甲府盆地もくっきりと。
大菩薩峠には介山荘という山小屋があります。
宿泊営業もしています。周りに遮るものもないので夕日や甲府盆地の夜景、朝日も綺麗なのかな。
軽食も売っています。
百名山ピンバッチも売っていますのでピンバッチ集めしているならここで購入です。百名山を意識して登るということはあんまりないのですがいつの日か全てに登ってみたいものです。
売店にはピンバッチだけでなくてTシャツやタオルなどの山小屋グッツも豊富にありました。
その中でもスタックザックがとてもポップで悩んだ挙句購入してしまいました。
テントやクッカーなどが可愛く描かれていて「100 FAMOUS JAPAN MOUNTAINS」って書いてあるので日本百名山の山でしか売っていないのかな?(霧ヶ峰のころぼっくるヒュッテで売っているのはみかけました)
富士山をバックに大菩薩の稜線を歩く
大菩薩峠まで登り切ると後ろに富士山が見えます。
手前に見えるのは大菩薩湖ですね。
大菩薩峠から大菩薩嶺に向けては稜線を歩きます。周りに遮るものが一切ないので富士山、南アルプス、八ヶ岳、甲府盆地が全て見えます。
稜線は岩がゴロゴロしているところもあり急なところもありますが梯子や鎖を使わなければ登れないような箇所はありません。
大菩薩の稜線の東側は多摩川の源流域なので東京都の水源域の境界なんですね。
登ってきた道を振り返ると奥に介山荘が見えます。振り返ってみると登ってきたなという実感が湧きます。
親不知の頭
展望が良くてケルンなどもあり休憩スポットです。
これからの縦走道と妙見ノ頭です。
少し下ると賽の河原です。避難小屋があります。 中は誰もいませんでした。
南アルプスや八ヶ岳を見ながら
大菩薩の稜線を登っていきます。
登りにくそうですが実際はそうでもありません。ただ、狭いところも多いのですれ違う際は注意が必要です。
標高2000m地点
大菩薩峠から終始富士山と南アルプスと八ヶ岳をずっと眺める稜線歩きでした。
終始絶景なので写真をパシパシとってしまってコースタイムの標準は55分みたいなのですが1時間半かかってしまいました。難易度が高いわけではありませんが余裕を持ったプランニングをすることをオススメします。また、遮るものが一切ないので真夏の登山では日差し対策が必須。サングラスをかけて、日焼け止めは塗っていましたが帽子を忘れてしまって、頭からの日差しが暑かった。
雷岩で上日川峠へ下る道の分岐点です。
雷岩からは樹林帯に入ります。歩いて10分ぐらいで大菩薩嶺に到着。
大菩薩嶺は眺望がないことで有名なので標識だけささっと撮ってあとにします。
この先丸川峠に下るのですが、多くの方は大菩薩嶺まできたら雷岩へと引き返すはずです。丸川荘方面に向かうと雷岩方面は引き返すよう注意看板がありましたが、間違えると悲惨なので間違えないようにしましょう。
丸川峠のルートは大菩薩の稜線とは違う樹林帯と静かな山歩きを楽しめる
大菩薩嶺からは丸川峠へと下って大菩薩の湯へと目指します。
いきなり、シカじゃねぇかあれ。シカだ。シカでした。
大菩薩嶺から丸川峠へと道はそれまでの大菩薩嶺の稜線や登山道と違って人通りもほとんどなく、眺望も期待できない樹林帯の道が続きます。
日陰なので気持ちが良いのですがどこまで続くのかわからない単調な道、人とすれ違わないので静かな山歩きを楽しめるのですが少し寂しさや不安さも感じてしまいます。が、歩きにくい箇所はほとんどありませんでした。 屋久島や八ヶ岳ほどではないですが、苔の森が広がっている箇所もあります。
下っていくとこのコース唯一と言っても良い開ける箇所から富士山が見えました。
大菩薩嶺から歩くこと50分丸川荘に到着しました
丸川荘で少し休憩をした後大菩薩の湯に向けて下山します。
丸川峠からの下山道が厄介でこれまでの道と比べるとロープや鎖はなくとも登りにくい、降りにくい岩が結構あるので初心者は避けた方がいいでしょう。
こんなのとか こんなのとか(写真だとわかりにくくてすみません)
途中で登山道が終わって林道に出るのですが、舗装されておらず岩がゴロゴロ転がっていたり、橋がかかっておらず流れが早い川を渡らなければいけないところもありました。
途中から上日川峠へに続く道と合流するとゴールは後少しです。
ほぼコースタイム通りで大菩薩の湯に到着しました。
帰りの塩山駅で電車の待ち時間があったので信玄餅どら焼きを食べました。
ちょうど塩山駅にこの日から運転が再開された四季島が来ているみたいでフラッグをいただきました。
お偉い方々もホームに降りてきていましたね。いつか振る側ではなくて振られる側になりたいですね。
真夏の大菩薩嶺は暑かったけど、素晴らしい景色が広がっていた
大菩薩嶺は標高2000mほどなので夏でも日差しがなければ涼しかったはずです。動いている時は半袖でもよかったですが、長時間休憩していると寒くなることもありますし、稜線は日差しを遮るものがなかったので長袖の方がいいでしょう。
大菩薩嶺は日帰りで登れる山で初心者でも登れる山ということで機会があれば登れれば良いかなと思っていたのですが、そんなことを感じさせないまた登ってみたい山でした。アクセスもいいですし、晴れていたら絶景が広がっていますからね。今度は山小屋に宿泊して夕焼けや甲府盆地の夜景を満喫してみたいなと思います。