6月中旬、北アルプスの燕岳に登ってきました。前から登りたい山で4年前の夏に登ろうと計画立てていたのですが上高地でテント泊した後喉が痛くなりまして、体調普通でしたのに例のアレでギャーギャーうるさいときでしたので無理言ってキャンセルしました。そのあとなかなか行く時がなく、喉も痛くなったりよくなったりが続きという状況が続いていましたがようやく行けるときがきました。
裏技的なルートでアクセス
本当は前日に松本に泊まって翌日にゆっくり登るかと思っていたのですが仕事が全然終わらず、最終あずさはおろか高速バスも間に合わずっていうぐらい終わらんかった。もう翌日にするかと思いましたが、そうすると登山口に着くのが12時過ぎ、燕山荘に着くのが17時とかになってしまうんですよね。行けなくはないけどあんまり選択はしたくはないですね。
で、ふと思ったのが長野駅までの深夜バスルート。これなら乗れます。でも登山口に着くのはいつなのかというと9時過ぎに着きます!松本に泊まって電車に乗っていくルートに収束します。これなら深夜バスとの死闘をしないといけない欠点はありますが、登山中に慌てることはありませんので、深夜バスルートを選択しました。
バスタ新宿から深夜バスでまずは長野へ。アイマスクしか持っていなかったので首が痛かったし、全然寝れなかったけど不思議と眠気はなく長野駅へ到着。
買い出しをして、始発のしなので松本へ。長野と松本は信州2大都市だけあってビジネスマンの移動も多いですね。
松本からは大糸線で穂高へ。ちなみに松本からならもう1本遅い電車でも間に合います。
で穂高駅へ到着!このルートなんて相当頭使わないと出てこないと思うのですが、同じルートで来てる人もいました。夏や秋なら毎日アルペン号が運転してくれているのでいいのですが、週末運行なので金曜日に行くとなると前泊するかこの長野ルートを選択するしかないんですよね。
穂高からは登山バスで登山口の中房温泉へ約1時間のみちのりです。1500円でPayPayは使えるようです。
金曜日なので満員にならず出発しました。今回使ったルートは6月だと金曜日(新宿発木曜)しか使えず、っていうのも登山バスが月木は11時過ぎに出る1本のみになってしまうのです。穂高までいくあずさと接続しているので乗り換えは楽ですが、中房温泉に着くのは12時すぎるので駆け足で登る必要があります。
北アルプス三大急登を登っていく
登山口の中房温泉から登っていきます。トイレや売店がありますので登山準備を整えてからスタートしましょう。
北アルプス三大急登と呼ばれる急な登山道を登っていくことになります。他の三大急登は剱岳の早月尾根と裏銀座のブナ立尾根ですが、燕岳の三大急登はアルプス入門者も登るようなルートとなっています。三大急登ということもあってキツいですが、適度な間隔でベンチもありますし、多くの人が登るルートということもあって登山道は整備が行き届いています。とはいっても急登なので急がずゆっくり登って適宜休むことが大切ですね。
中房温泉から登り始めて30分ほどで第一ベンチに到着。まず、第一ベンチまでが傾斜が急ですのでいきなりの踏ん張りどころです。
合戦尾根唯一の水場があるのが第一尾根です。20mぐらい降りる必要があり、水場というより川の流れから直接水を汲むようになっています。個人的には事前にちゃんと水を買っておけば不要かな。
第二ベンチ。ここで3割ぐらい登ったことになります。
第二〜第三ベンチは比較的傾斜が緩やか
ここで始めて木々の間から北アルプスを望めます。
第3ベンチでようやく半分といったところでしょう。
第3ベンチ〜富士見ベンチまでが1番きついところかもしれないです。
合戦小屋まであと10分
合戦小屋につきました。標高でいうと2380m、距離だとおおよそ7割方進んだことになります。
合戦尾根は多くの人が通る主要ルートなんで道中で山小屋があるのはありがたいですね。合戦小屋は宿泊できないものの、売店やトイレはあるので休憩にピッタリ。そしてなんといっても夏にはスイカがあります。年によって異なるとは思いますが、2024年は6月の8日からスタートしました。
結構大きいですが、暑さと水分を欲している体なのでパクパク食べれます。種は撒き散らさないように皿の上に捨てるように言われました。スタッフさんに言えばスプーンも用意できるようなのでかぶりつくの恥ずかしい方でも食べれますよ。
もちろん水や食事(9時から)、軽食類も販売しています。
十分休憩したのち、再び急坂を100mほど標高を上げていきますと標高2500mあたりから森林限界を超えて一気に視界が開けてきます。
常念岳?(大天井岳かも)と槍ヶ岳も見えてきます。
今回の目的地である燕岳と燕山荘も見えます。まだ先は長いのですが、ここまで来ると大分傾斜は緩くなっていくので意外に歩けます。
そして森林限界を越えると雪がまだ残っています。このぐらいの雪であればチェーンスパイクはなくても登れますが、不安なかたはチェーンスパイク持っていった方がいいと思います。チェーンスパイクつけるのは面倒ですがあるとないとでは全然違いますからね。下を振り向くと
いい景色です。
だんだんと燕山荘も近づいてきました。あとちょっとの踏ん張りです。
大天井岳と槍ヶ岳も終始みながら登山できました。
無事5.5キロの合戦尾根を登りきりました。大体休憩込みで4時間ぐらいで登ってきましたが、一般的には5時間ぐらいかかるコースですのでやはり朝発の方がいいですね。
燕山荘はホスピタリティが素晴らしい
燕山荘は合戦尾根の終点にあり、燕岳と大天井岳との表銀座尾根との合流地点にあります。
目の前には燕岳が聳え立っています。
料金は1泊2食付きで15000円となっています。数年前までは10000円ぐらいで泊まれていましたが、物価高の影響で1.5倍まで上がりました。だけど、それでも満員に近かったぐらいで人気のある山小屋は高くなろうが泊まる人はいっぱいいます。Web予約できるのでキャッシュレスが進んでいるかと思いますがそこは山小屋。現金オンリーですので忘れずに。
今回は新館の部分に宿泊しました。
中は一般的な山小屋の構造で
布団と畳敷となっています。カーテンもありますし、1人一畳はありますので人権については確保されています。多分今後も最低限の人権は確保してくれるはずです。スタッフのかたも多くの人が来るにも関わらず1人1人丁寧に接客していて素晴らしいと感じました。
朝食券と夕食券、登山口近くの有明荘の入浴割引券、
アミノバイタルもいただきました。これはちょうありがたい‼︎早速金色の方を飲みました。
本館と別館の間は階段で繋がっています。
トイレはウォシュレットはないですが、綺麗な洋式トイレですし、水は飲用水が蛇口から出てきます。山小屋でこういうことができるところは少ないのでありがたいですね。
携帯の電波はドコモはバリバリ4Gが繋がっていますし、Youtubeも問題なく再生できる速度です。
売店にはバンダナに手ぐぬい、
ナルゲンボトル、Tシャツと様々あります。Tシャツは有名な燕Tシャツの他にも画家コラボのものもありますし、色も種類豊富でした。これだけあると買う気なくても買いたくなるような気持ちにさせてくれます。
お昼時には食堂営業もしています。有名なのはカツカレーでしょうか。今回は営業時間ギリギリで夕食の時間も迫っていたのでやめておきます。
あと、燕山荘といったら喫茶室かもしれません。こちらも6月から本格的に営業をはじたそうです。4種類のケーキがありまして、
モンブランにしました。コーヒーとセットで1000円です。
山で食べる甘いものとコーヒーってどうしてこんなに美味しいのでしょう。しかも下界で作ったものを運んでいるのでしょうが、しっかりとした味わいなんですよね。
夜は19時まで、朝は5時過ぎから営業しているので夕食食べてからのまったりタイムや朝日を浴びながらコーヒーブレイクもできてしまうのです。
あとちょっと小腹が空いていたのでモツ煮(800円)も頼みました。もつ自体はレトルト品でしたが、ネギは生です。こういうところの微妙なこだわりとかありがたいと感じます。
飲み物類はお酒からペットボトルまで一通り揃っています。水は1リットル500円だったかな。蛇口から出てきますが、水道水ではないので不安なかたは購入をお勧めします。ちゃんと安曇野の天然水ですし。
喫茶室でまったりしててもまだ15時ぐらいですので散歩してみます。燕岳まで行けなくはないですがもう今日はいいやって感じでしたので近くのイルカ岩まで歩くとします。テント場はまだ雪が積もっています。街中はもう夏ですが、まだまだアルプスは冬とは言えないでしょうが、新緑ぐらいの季節でしょうか。燕山荘周辺にはベンチやテーブルがたくさんありますのでバーナー持ってきてコーヒー入れたり、昼寝したりと思い思いのまったり時間を過ごしているかたが多いですね。
槍ヶ岳と穂高連峰、その先は双六岳とか笠ヶ岳とかでしょうかね。雲出ていますが、ちゃんと望めます。
キバナシャクナゲかな
歩いて10分かからないぐらいでイルカ岩につきました。色がちょっと変わっている場所が目のようです。
散歩してベンチでCCレモン飲みながら黄昏ていました。
夕食と朝食
夕食は5時から食堂でいただきます。
結構並んでいますが、人数が多いだけでスムーズです。⚪︎人こちらですーって案内して椅子も引いてくれるのでどこに行けばいいか一目でわかるのですあたふたすることがないのです。
飲み物は隣の喫茶室で購入するようになっています。生ビール注文しました。
メニューはこんな感じです。ハンバーグと赤魚、煮物と杏仁豆腐です。過去の他のかたも訪問記も確認しましたが、大体同じなようです。味はといいますともちろん美味しいです。ハンバーグも歯応えありますし、某競馬場で食べたハンバーグよりもうまいですね。
本来ならオーナーのホルン生演奏とありがたい講話があるのですが、不在のため録画していたものを放送してくれました。自然に引き込まれる話しかたでした。
ご飯食べたあと外に出ましたが、ちょっと雲が多めで日没は望めず。6月のこの時期は野口五郎岳のあたりに沈むみたいです。
朝食は5時と5時45分からの2回体制。当日行きたいときに行く感じです。5時のほうが多分人が多かったと思います。
朝食も品数は豊富。
写真ないですが、ご飯と味噌汁もありますよ。味噌汁は豆腐とわかめの王道の味噌汁でほっこりする味です。
朝食後、コーヒーを喫茶室で飲みました。
陽射しを浴びながら飲むコーヒーは格別です。喫茶室でお弁当食べている人がいたのですが、スタッフさんが気を利かせて味噌汁とお茶を持ってきていました。こういう心遣いとか側から見ても素晴らしいですね。
燕岳で日の出を鑑賞
ちょっと時間を戻しまして、朝食前に燕岳に登ってきました。
朝起きる時間は全く決めていませんでしたが皆がゴソゴソし始めた3時半ごろ起きたのでそのまま起きてしまいました。
準備して4時過ぎに出発。燕岳まで大体20分ぐらいです。燕山荘前で日の出待っている方もいましたが、歩いて燕岳まで行けば見れそうな時間だったので先に行きました。
ちょっと雲が出ているので雲の合間を縫っての日の出かな
左には裏銀座の山々
後には燕山荘や槍ヶ岳、穂高連峰
日の出の時間ぐらいに登頂しました。
つば九郎持ってきたかったのですが、神宮球場につば九郎のぬいぐるみ売ってなかったのでガンズくんで。
雷鳥のぬいぐるみ吊り下げてる登山者いますけど、みんなガンズくんにしちゃえばいいと思います‼︎
あんまり人もいなかったですし(多くの人は日の出燕山荘で見て5時の朝ごはんの後に登るのかな)、景色も良かったし最高です。
餓鬼岳方面
槍ヶ岳と大天井岳は曇っています。登山は登るの辛いですが、こういう景色見れるわけですからやっていて良かったと思える瞬間です。
別方向から燕岳を見るとこんな感じです
雷鳥が頂に立っています。ガンズくんと一緒にお写真を撮りたいですがなかなか難しいです。
あとはお花を愛でながら、雷鳥探しながらゆっくり燕山荘に戻りました。
大天井も雲が取れていた
こうやって燕岳を撮影するとカッコよく見えますね。
帰りは来た道を下山
大天井岳の大天荘はこの日から宿泊開始ということもあって大天井岳に向かっている人もいましたが、私はそのまま来た道を戻ります。
帰りも結局雪道をチェーンスパイク使いませんでした。面倒くささがどうしても優ってしまうのですよね。危険なんですけど。ボタンひとつでシュッと出し入れしてくれるようなのあればいいのにって思ってしまうんですよね。
合戦小屋までは45分ぐらいで下ってきました。また、スイカ食べて
あとは樹林帯の中を下り続けます。
中房温泉までは休憩込みで3時間弱で下ってきました。
バスの時間的に割引券もらった有明荘は間に合いそうにないので中房温泉の日帰り入浴に入ります。料金950円です。割引券もたった有明荘よりも高いですが、バスの始発に乗れるのでその点は便利です。
綺麗さっぱりして松本によって帰りました。
前からずっと登ってみたかった燕岳、泊まりたかった燕山荘に泊まれて山はやっぱりいいなって思いました。アルプスにはまだまだ通い続けないといけないですね!