encourageofclimb 山登りへの招待状

Encourage of Climb  山登りと温泉への招待状

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金峰山小屋のチキンソテーを食べに、ゴールデンウィークの金峰山に登ってきた登山記録

奥秩父の金峰山は標高2599mの日本百名山です。


長野県と山梨県に跨っていて山梨百名山でもあり、甲府名山でもあります。山頂には五丈岩という大きなランドマークがあり、山頂からは富士山、南アルプス、八ヶ岳などなどを望めます。

 

関東から気軽に登れる百名山ということもあり、多くの登山者が登る山でもあり、アクセスも登山道も整備されています。とはいえ標高2599mの山ですから、ゴールデンウィークのこの時期はまだ雪も多くありますので訪れる人もハイシーズンと比べると多くはありません。今シーズン最後の雪山と近くの金峰山小屋の評判がいいということもあり、久しぶりに登ってきました。

 

アクセス

 

金峰山に登るためには3つの方法があります。

1つが大弛峠という標高2300mぐらいの峠から登るルートです。予約制ではありますがバスも出ていて往復4時間ほどで登れます。が、ゴールデンウィークのこの時期は大弛峠も冬季通行止めなのでこのルートは使えません。

eiwa-kotsu.jp

 

2つ目は長野県側の金峰山荘から登るルートです。東京からだと奥秩父の山塊をぐるっと回るのであまり使う人がいないルートなのかな。毎日あるぺん号を使うと登山口まで運んでくれます。

 

3つ目が今回使った瑞牆山荘から登るルートです。登り4時間半、下り3時間のコースなのでギリギリ日帰りできるルートです。途中に富士見平小屋があったり、奥秩父らしい稜線歩きを楽しめるルートです。

 

瑞牆山荘までは山梨峡北交通さんのバスが出ています。

cus4.kyohoku.jp

 

本数もそれなりにあるので使い勝手が良いですが、韮崎駅始発のバスはあずさと接続していることもあり、土日だと非常に多くの方が乗り1時間半のバスでずっと立ちっぱなしってなることも多いです。なので、早めの列車に乗って待つか、もう一つ公式にも案内されている方法が、途中の増富温泉まで山梨交通のバスに乗って増富温泉から乗り換えるルートです。今回はこちらのルートを使って瑞牆山荘まで向かいましたが、乗ったのは登山客2人と後は地元の方数人ぐらい。ゴールデンウィークの合間の平日ということもあってこの人数だと思いますが、このバスに乗るためには三鷹駅より西でないと間に合わないです。土日はどのくらい混んでいるのかは未知数ですが。ちなみに私は前日は調布の味スタで所用があったので、所用を済ませた後八王子からあずさに乗って甲府にいき、甲府に宿泊してから韮崎へ向かいました。

 

甲府では前から気になっていた草津温泉に行ってきました。ラドンが入っている珍しいタイプの温泉で内湯と露天風呂があり、銭湯ですがシャワーやシャンプーも完備されていていいお湯でした。



奥秩父の樹林帯と展望良い稜線歩きをしながら金峰山へ

 

 

増富温泉まで1時間弱、増富温泉で少し歩いて山梨峡北交通のバスに乗り換え。

20分ぐらいで瑞牆山荘に着きます。

 

お手洗い行って(1回100円です)、

登山開始。

雪はないですが、まだ木々には葉っぱが生えていませんね。

結構急な道を登っていきます。

今日は金峰山を目指すだけで時間はたっぷりあるんでヤマレコのコースタイムは気にせず登っていきましょう。

 

林道超えて急坂を登り切ると瑞牆山が見れます。


ゴツゴツしていて、ハシゴや鎖もある登山コースですが難易度的にはそこまででもないです。

 

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傾斜も緩やかになってくると富士見平小屋に到着。



テント場もありスペースも広くて、1時間で登山口から来れるのでハイシーズンは混みますがこの日はそうでもなさそうです。

 

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少し休憩して、登山再開

 

奥秩父の新緑を満喫しながら登っていきます。大日小屋まではそこまで急な箇所はないです、

 

大日小屋は素泊まりとテント泊できるようですが、正直ここに泊まるなら富士見平小屋泊まるよねっていうぐらいの環境です。

大日小屋すぎると鎖場が出てきます。

鎖なくても登れますが、鎖はしっかりしているので安心です。大日岩直下の岩場が展望スペースとなっていて南アルプスが一望できます。


休憩もできるぐらいのスペースあるんで少し休憩。上を見上げると大日岩が聳え立っています。

大日岩の分岐まで登り切ると再び奥秩父の樹林帯歩き。


アップダウンはありますが、気持ちいい木漏れ日の中歩いていきます。大日岩過ぎると路面に雪が見えてきます。チェーンスパイクつけようと思いながらもまだ大丈夫だろうと進んでいきますが、砂払の頭直下の丸太のベンチを過ぎると路面が完全に凍っているのでチェーンスパイクをつけます。

 

砂払い頭まで来ると稜線歩きになります。

お久しぶりの南アルプス。

風はそこまで強くありません。

 

稜線からは後ろには八ヶ岳と瑞牆山、

右側には富士山と南アルプスを眺めながら歩いていきます。

前には五丈岩が見えてきました。

近そうで遠い。基本岩がちで鎖場もあるので慎重に登っていきます。ただ、そこまで難しさもないですし、高度感もないので初めてだとちょっと怖いかもしれないですが、登山をやっていればそこまで恐怖を感じることもない道だと思います。

 

北側は奥秩父の山々とその先は浅間山が見えるのかな。

稜線なので雪はあったりなかったりです

 

金峰山の稜線まで結構キツかった。休憩込みでなんだかんだでほぼコースタイム通りに登っていました。意識的にペースはゆっくりにしていましたが体力が落ちてますね。4月には丹沢の檜洞丸と塔ノ岳のバカ尾根でトレーニングしましたが、月曜から金曜までの労働のせいでなかなか平日も週末もトレが積めない状況だったからなぁ。

右真正面に富士山が見えますが、普段ならうぁーってなるけどなんか今日は疲労からそこまで感じない。

山頂直下は八ヶ岳の高見石みたいになっているっていうとわかりやすいかな。

目の前に八ヶ岳

反対側は富士山です。

五丈岩とその先は南アルプス。鳳凰三山と甲斐駒ヶ岳はわかるんですが、他がちょっとわからない。

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瑞牆山は登山し始めた時は見上げていましたが、今はもう遥か下に。頑張って登ってきた証拠です。

にしてもゴールデンウィークの合間の平日とはいえ全然人がいない。写真撮ってもらおうかと10分ぐらい待っていたのですが(日差しが暖かかった)、全然来なかったので諦めました。

 

誰も来ないんで小屋へ向かいましょう。

 

結構下ります。

 

予想はしていましたが、雪道でチェーンスパイクだと滑ります。かといって12本アイゼン持ってきてはいましたがそこまではなぁーって感じでした(普通に使った方がいいぐらいでした)。半ば滑り落ちるように下りました(こけた訳じゃないですよ)

 

金峰山小屋に宿泊



予約方法と料金

 

金峰山小屋は4月下旬から11月まで営業しており(冬季は週末のみ)、料金は基本7000円で夕食3000円、朝食1000円、弁当1000円、冬季の暖房代1000円となっています。今回は夕朝食付きで+冬季の暖房代1000円加算されて合計12000円です。予約はインターネット経由でできます。今見ましたが土日はほぼ埋まっていますね。予約すると翌日には確定のメールが届きました。

 

支払いは現金以外にもクレジットカードも使用可能です。JCBも使用可能なんでありがたい。

 

小屋の寝室スペースと共用スペース

 

寝るスペースは2階になり、個室はなく大部屋になります。


カーテンで仕切ることができて今回は2人分のスペースを使えるようですが、満員時はどうなのかはわからないです。布団は羽毛布団でふかふか。ゴールデンウィークの時期の金峰山は東京でいう冬みたいなものなのですが、寒いって思うことはなかったです。ライトは廊下のみで各々のスペースにライトはないのでヘッドライトあった方がいいでしょう。

 

1階が共用スペースで大きなストーブの周りに机やこたつがあります。ここで飲食することになります。

 

トイレは外にあります。夜は灯りが灯りますがヘッドランプあった方がいいに越したことはないです。

トイレは洋式で男性用の小便器もあります。バイオトイレなので匂いはつきものですが、まぁこのぐらい仕方ないよねっていうぐらいです。ご丁寧にトイレの仕方も絵付きイラストで説明してくれているので、ちゃんと守りましょう。


ウォシュレットはないですが携帯ウォシュレットが売っていました(800円)。トイレ棟には洗面台が2人分あって鏡付きでした。

 

携帯の電波はドコモ⚪︎、au◎、ソフトバンク×みたいです。私はドコモ回線ですが(ahamo)小屋内では繋がらず、外に出たら繋がる(Twitterの画像送信は問題なくできる)のが⚪︎であるって思ってくれたら◎や×の意味が理解できると思います。

 

飲み物はフリードリンクでカップは持参

 

予約確定のメールにもちょろっと書いてあったのですが、カップを持ってくださいねって書いてありましたので持って行ったのですが、ホットドリンク類が飲み放題になっていました。種類もコーヒー、紅茶、レモンティー、ココア、ルイボス、コンソメなど種類も豊富です。


自分で粉入れて、隣のお湯入れてかき混ぜて、向かいのこたつでまったり飲みました。ゆるキャン△とポムポムプリンとのコラボマグカップです。

 

お酒類はグラスワインが300円、他が600円です。

ビールや酎ハイ類は外のクーラーボックスに入っています。この日はビールは冷蔵庫に入っていたみたいでしたが。ビールがねぇって騒いでいたのでわかりました。

グッズも豊富です。Tシャツや手ぬぐい、ナルゲンボトルなど。

小屋に着いたのは3時前でしたが、近くで日向ぼっこして、紅茶飲みながら本と漫画を読みこたつでうとうとしてたら夕食の時間になりました。

 

山小屋1美味い料理が出てくるかもしれない

 

夕食はこの時は17時半からでした。

 

金峰山小屋といったらチキンのソテーですね。付け合わせのマッシュポテト、人参とレタスのサラダ、チキンソテーの下にライスが潜んでいます(ちょっと見えていますが)。

チキンソテーは程よい硬さ(肉食っている感がある)で塩胡椒でシンプルな味なのですがそれが物凄く美味い。一緒のこたつにいたご夫婦もカフェで出せるレベルって唸っていました。

 

これだけでも十分すごいのですが、おかわりでカレーをいただけます。

このカレー、おかわりで出てくるレベルじゃないぐらい美味いです。だってチェックインした時からいいスパイスの香りしていましたから。きのことひき肉が入ったカレーで一口食べると最初は甘く、徐々にスパイスの辛さが出てくる味です。疲れた体でもチキンソテーで満腹になっても食べれる味です。この前日に吉野家で魯珈監修のカレー食べていましたが、それよりも美味しかったです。

 

デザートはプリン。これも多分手作りですね。既製品の味はしなかったです。

正直欠点はスープがなかったぐらい(あと、ワインも今回はついていなかったですね)で別に気になるようなことではありません。立山のみくりが池山荘とか

 

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八ヶ岳の白駒荘とか

 

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とか料理が美味い山小屋は多いですが、金峰山小屋は近いところでも登山口から2時間かかりますからね。登山口から離れているのにこのクオリティの料理をいただけるのは感謝しかないです。

 

ご飯食べ終わるとだんだんと日の入りの時間に近づいてきます。

小屋のすぐ近くから八ヶ岳に沈む夕陽を眺められます。

明日も良き一日になりますように。

 

金峰山で朝日を見に行こうよ

 

この日は大きないびきをかくような輩がいなかったので快眠できました。皆がゴソゴソし始めた朝3時半過ぎに起床。この日は星はあまり眺められなかったですが麓の夜景とその先に八ヶ岳を眺められました。

だんだんと明るくなってきたタイミングで登り始めます。息があがります笑。

半分ぐらい登ったところで十分とも思ってしまいます。

だんだん東の空が赤みを帯びてきました。

今日も快晴です。富士山

道標の奥に八ヶ岳

南アルプス

今日来て気づいたのですが、山梨百名山の立て札が壊れて倒れています。

頂上にきた頃にはちょうど日が上がってきたところでした。朝日に照らされた五丈岩とその先の富士山と南アルプス

頑張って登ってきた甲斐がありますね。

 

下りは朝ということもあって程よく凍っていてチェーンスパイクでも滑らないであっという間に降りました。

 

朝食はお粥🥣

 

小屋に戻るとちょうど朝ごはんの時間でした。なお、日の出の時間などで朝ごはんの時間に間に合わない場合も戻ってきた時に出してくれるようです。

 

朝食は見た目はシンプルです。

漬物類と焼売、オレンジとお粥です。お粥は鶏肉や野菜などの具が入っている中華粥です。あっさりしているのですが、コクがあって朝からでも食べれますし、温まります。

 

帰りは巻道使って下山

 

帰る準備もしたので下山します。金峰山登るのも面倒なので、巻道を使って下山しましょう。巻道には結構雪が積もっていましたね。

 

砂払の頭までは展望がいいので最後に景色を眺めながら集中して下山しましょう。それにしても今日も天気がいいです。



砂払いの頭からの下りが凍っていてしかも急なのでなかなか怖かったですが、転ばずに済みました。

 

奥秩父らしい原生地球のような森まで戻ってくるとほぼ安心です。下りはこのさきも路面凍結しているんで大日岩の分岐まではアイゼンはいていた方がいいです。

富士見小屋まで戻ってきました。

メニューはこんな感じ

テント泊の方のテントの色が昨日とは結構違いますね。寒色系が多い。

富士見小屋には少し下りた場所に平成の名水百選に選ばれた水場があります。この時期だからか水がじゃぶじゃぶ出ています。

 

あとはウイニングウオーク。



瑞牆山の登山バスの始発が9:20なのですが間に合いました。下山は2時間40分でしたね。始発バスには間に合わないと思って富士見平小屋が開くタイミングでなんか食事して帰ろうって思っていましたが、富士見小屋の時点で意外に時間を巻いていたのでとっとと下ってしまいました。

帰りのバスも登山客がほとんどおらず秋の混雑が嘘のような状態で隣に登山ザックを置けるぐらいでしたからね。

 

金峰山小屋は噂に違わぬいい山小屋で、金峰山も何回もきてもいい山ですね。今度は今回できなかった甲武信岳までの縦走の時に泊まりたいですね。

 

最後に持って行ったものの紹介

 

今回は通常の山小屋泊装備の他に、寒さと雪を想定してダウンも持って行きましたがダウンは不要でしたね。陽が出てて暖かったですし、朝もPatagoniaのR2テックフェイスで行けてしまいました。同じように冬山用グローブも不要でした。冬用の薄い手袋で十分でした。アイゼンはチェーンスパイクあれば大丈夫でしたが、こればっかは雪量や直近の気象コンディションによるのでなんとも言えないです。私が登った2日前にちょろっと雪が降ったみたような気象コンディションだった持って行きましたが、使わなくてもなんとかなったのが本音です。トレッキングポールはあった方がいいですね。金峰山の頂上付近は邪魔ですがそれまでは樹林帯歩きが多いのであると楽です。