毎年発表される都道府県魅力度ランキングの最下位常連の茨城県(2020年は42位、2021年には再び最下位)ですが、
登山をするにしてもぶっちゃけ魅力度は薄いでしょう。よく比較される(そしてよく都道府県魅力度ランキングの最下位争いをする)群馬県や栃木県の北関東の2県と比べても、日本百名山も1つしかなく(筑波山;群馬は11座,栃木でも4座)と少ないですし,位置的にもどこかに行くついでに登るという場所でもないので関東周辺に住んでいても登ったことがあるのは筑波山だけっていう登山者も数多いはずです。
ただ,茨城県の山は低山がほとんどですし,観光地と隣接している山も数多いため初心者でも楽しめます山も意外にありますし,また日本アルプスにも匹敵する岩稜の山もあります。茨城に住み始めて数年経ちますが、山登りも数年間やっていますが、意外に茨城県でも登山を楽しめる山って数多いなとそしてそれなりに登っているなと思いましたので紹介していきたいと思います。
個人的に茨城県の魅力が低いのは大きな温泉地がないこと,それ以外の人からしてみたらどこにあるのかすらわかってない人も多いですし,東京から近いため日帰り客も多くわざわざ泊まっていくような場所でもないからだと思っています。だから観光地としても割と見どころもありますし,なんといっても群馬や栃木ではあり得ない海もありますからね。
- 1.茨城県の唯一の百名山にして象徴とも言える筑波山
- 2.低山ながらもトレーニングしながら縦走できる難台山
- 海が見える登山ができる日立市御岩山、神峰山
- 岩と鎖の殿堂 奥久慈男体山
- 山だけじゃない茨城の魅力
1.茨城県の唯一の百名山にして象徴とも言える筑波山
まず、茨城県の山で最初に紹介しなければいけないのは茨城県唯一の百名山の筑波山でしょう。茨城県南地域や県西地域に住んでいればどこからでも見える山でもありますし,東北新幹線に乗っていても見える山でもあります。もっと遠い奥武蔵地域の山(日和田山とか)や丹沢からでも晴れていれば見えるぐらいの山です。といっても標高は877mと百名山の中でも最も低い山ですが遠くからでも見えるのはそれだけ関東平野が広いってことと周りに多くの山がないからです。
登山でも初心者でも登りやすいコースが多く,尚且つロープウェイやケーブルカーで登ることができるため観光客も多いのが特徴です。ただ,それは表側からみた筑波山であって裏側の筑波山はアクセスも悪いため(1回暗い中車に乗っていて怖かった思いもしたぐらいの道もある)登山者も少なく落ち着いて登山を楽しめたり麓から一気に登るコースがあったり
という全くの初心者から山を楽しみたい登山者まで多くの登山者を魅了するのが筑波山だと思います。
真夏は暑すぎるのでおすすめしませんが,一年を通じて登山を楽しむことができます。私は混雑が嫌いなので,登る時は人が少ない冬の時期に登ることが多いです。雪も積もることは少なく歩きやすいですし(写真ではありますが笑),冬は展望がいいので遠くは富士山まで望むことができますし。
ただ,冬の寒い日に雨が降ると流石に雪が積もります(写真の通りになる)。そうすると途端に雪山に変身するのも筑波山の魅力でもあります。
筑波山は観光地でもあるので見どころも豊富です。筑波山登山の時に通る筑波山神社や
登山口すぐ近くには温泉もありますし、
グルメスポットも筑波山周辺には数多いです。
恐らく大抵の登山者(とりわけ百名山フリーカー)は1回登って満足って方が多いかと思いますが,新たな発見もあるかと思いますよ。
2.低山ながらもトレーニングしながら縦走できる難台山
お次はもう少し北側に行きまして、県央の笠間市にある難台山です。正直この名前を知っている登山者はほとんどいないでしょう。標高も531mと別に秀でて高い訳でもないですし、景色もめちゃくちゃいい訳でもないです。ただ、難台山とお隣の吾国山(関東百名山)と合わせると電車でも登山口、下山口ともに駅とアクセスも良いですし、アップダウンも多いためトレーニング登山ができます。
常磐線の岩間駅が登山のスタート。目の前に見えるのが難台山です。
アップダウンは結構ありますが、基本的に難台山までは階段は少なく歩きやすい道が続くのでトレーニングやトレイルランをしている人を多く見かけました。
難台山は岩がちな山でロッククライミングする方もいるそうですが、登山道は岩が露出していている程度で梯子やロープがあるところはないのでそこまで気にすることはありません。
登山道の途中からは筑波山も見えます。いつもみている筑波山とは真反対方向なので新鮮です。
駅から2時間ほどで難台山に登頂です。
再び降り、再度登ると吾国山です。吾国山からは笠間市街を一望できます。


距離も15kmほどありますし、アップダウンは多いので標高500mほどの山にもかかわらず獲得標高は1000mほど稼げました。
都内からわざわざ登りに行く山かどうかというと正直首を捻ってしまいますが、常磐線沿線に住んでいる方で登山のトレーニングしたい方はアクセスも良いので一度登ってみてはいかがでしょうか?
海が見える登山ができる日立市御岩山、神峰山
茨城県が他の北関東の県と比べて違うところは海があること。よって山の上から海を見る登山ができるのも茨城県だけになります。そんな海を見ながら登ることができる山として日立市御岩山、神峰山を紹介します。
スタート地点は日立市の御岩神社。日立駅からもバスが出ているので鉄道でも来やすい場所です。水戸黄門様もよく訪れていた神社だったそうです。登山道は普段着で登っている人が多いぐらい整備されていますが、急勾配もありますので多くの方がゼーハーゼーハーいいながら登っていました。
この日は曇っていたので海は見えませんでしたが、茨城の長閑な里山風景は見れました。天気が良いと那須連山まで見れるようです。
観光客のほとんどは御岩神社と御岩山目的なので神峰山までの登山道はグッと人が少なくなります。
神峰山は黄門様も訪れ、神が降り立つ場所とも言われていました。また黄門様は神峰山からの日の出を見て、日が立つ場所と呼んだそう。それがやがて日立となり、日立市ならび日本を代表するコングロマリット企業の日立製作所の名前としても今日も使われています。
曇っていて海はどんよりしていましたが日立名物の大煙突(これでも昔よりも低い)も見えます。
このままハイキングコースが市内まで続いているのでこのまま下りましたが、時間がかかる上単調ですし、エスケープルートもないので折り返してもいいでしょう。
日立駅は海からほど近い立地なので(残念ながら電車内からは見れません)、駅舎から海が見える駅でもあります。
カフェも併設されているので海を見ながらご飯なんてもいいかもしれませんね(いつも混んでいますが)。
詳しくはこちら
岩と鎖の殿堂 奥久慈男体山
茨城県の県北の奥久慈地域は長閑な里山と久慈川の清流が広がっているのですが、山の方に向けると低山ながらも岩肌が見えるぐらいゴツい山が広がっています。その中でも代表的な山は奥久慈男体山です。低山ながらも鎖のある岩場が続き、それもまあまあ険しい道です(主観ですが)日本アルプスの岩場に挑戦してみたいという方の練習台にちょうどよいレベルだと思います。
アクセスは基本的に車利用に越したことはありませんが1時間歩けば駅があるので鉄道で行けないこともないです。
岩と鎖の道は健脚コースです。一般コースの方はそこまで岩や鎖があるわけではないみたいなので鎖が苦手な方でも安心だと思います。
だんだんと傾斜がキツくなっていって
トラバース地帯
里山とその先には200キロぐらい離れた富士山まで確認できました。
健脚コースは想像通り基本的にロープないし鎖があり、鎖なしで登ることはかなり難しい登山道でした。写真撮影している余裕がないぐらい。ただ、3点支持を意識しながら登っていけば特に問題なく登れるはずですし周りが断崖絶壁というわけではなかったので恐怖感はあまりありませんでした。アルプスなどの岩稜帯に登る前の練習台としてもいいかもしれないです。
山頂からも里山を一望できます。
下は断崖絶壁
茨城県の奥久慈にはこういう岩山が多くて茨城県のジャンダルムとも呼ばれる生瀬富士も奥久慈地域にあります。
山だけじゃない茨城の魅力
茨城の魅力は山に限らずあります。
おいしいものが沢山ある
茨城のイメージ通りなのかもしれませんがだだっ広い畑や田んぼが広がっています。私が住んでいるTX(つくばエクスプレス沿線)もだいぶ発展してきて今は住宅街も増えていますがそれでも10分も歩けば広い田んぼないし畑、雑木林が見えるというところが多いです。なので農作物も豊富ですし、茨城には海もあるので海産物も豊富です。
フルーツパフェ
水戸のフルーツバスケットという喫茶店でいただきました。お店は果物屋も経営しているようなので新鮮でかつ品質の良いフルーツを使ったパフェです。種類も豊富でどれにしようか迷うぐらい。
親子丼
奥久慈名物の奥久慈しゃもを使った親子丼です。道の駅奥久慈だいごでいただきました。普段食べている鶏肉とは段違いのコクでした。袋田の滝からほど近いところに奥久慈しゃもを食べさせてくれるお店が多いので袋田の滝の見物に訪れた際は是非食べていただきたいです。
海鮮丼
大洗の対岸の那珂湊のおさかな市場でいただきました。色々種類載っていて確か1650円だったと思います。
観光地も意外にある
茨城を代表する観光地といったら大洗と国営ひたち海浜公園、水戸の偕楽園だと思います。大洗は大洗水族館に行くために行きましたが、それ以外はまだいけていないので茨城に住んでいる間に一回はいっておきたいですね。
大洗水族館は日本でも有数の大きさを誇る水族館。特にサメやマンボウの展示で有名ですね。
袋田の滝も茨城県の観光地の中では有名。秋は紅葉、冬は凍結して幻想的な雰囲気を醸し出します。
筑波山のあるつくば市もJAXA(宇宙航空研究開発)や地質標本館、国土地理院など研究施設も多数あります。ほとんどの施設は無料や低料金で楽しめるので雨降って山行けないってときにおすすめです。
魅力度ランキング最下位常連の茨城県ですが、山に行けば誰でも登って楽しい山から登りごたえのある岩場までありますし、山に行かなくとも食べ物は豊富ですし、見どころも意外に豊富。行楽シーズン、ハイキングシーズンには是非茨城県に訪れていただきたいです。