茨城県日立市にある御岩山は奈良時代に書かれた常陸風土記にも記載されており、麓にある御岩神社は由緒正しい神社です。頂上近くには巨岩があり山自体がご神体となっており茨城県随一のパワースポットとなっており多くの方が訪れる場所のようです。長年(といっても3年ちょっとですが)茨城に住んでいますが全く知りませんでした。
また、その隣にある神峰山は徳川光圀公(あの水戸黄門)が登り、山からの景色を見て常陸一と言わしめた山です。光圀公は神峰山から朝日が登っていくのを見て、日が立つ→日立となり今の日立市の名前や誰もが知っている日立製作所の名前に繋がっていきました。
神峰山は今でも日立市の全景やその先の太平洋を望むことができます。今回は海を見にいく登山ということで御岩神社から太平洋まで歩いてみることにしました。
御岩神社は巨岩を祀るパワースポット
日立駅はすごく立派な駅なのですが、今回の登山のゴールなので後で紹介するとしてバスにて御岩神社へ向かいます(料金560円)。
御岩神社は想像していたよりも立派で、多くの観光客で賑わっていました。
出店も多くあり、ワインコーヒーや和酒珈琲が気になります。留守で探さないでくださいと書いてあったので笑購入は諦めることにしました。
楼門には仁王像がいます。
あまり深く気にせず通り過ぎましたが、神様を祀る神社に仏像があるって変ですよね。実は江戸時代まで神仏習合で神社に仏像があることは当たり前でしたが、明治維新で神仏分離令が出されたのでこの姿はほとんどなくなってしまいました。昔ながらのスタイルが今でも見れるのは不思議な感覚です。
というかこの御岩神社ありとあらゆる神様が祀られています。さらには御岩神社でググると「御岩山 宇宙」と予測変換でてきてなんと宇宙から光の柱が見えたとか見えないとか。まぁ、パワースポットのかたまりのようなところです(パワースポットにありがちな巨木もありますし)。
参拝を済ませて御岩山に向けて登山していきます。
御岩山は神域なのでいろいろと制約はあるのですが、登山者には当たり前のことなので割愛します。
ただ、一般の人は普段着で登っていることが多くこれはルール④に違反していますね。頂上まで登山者なら難しいところもなく道は整備されているので簡単に登れます。ですが、体力のない一般の人はジーパンとかショルダーバッグ背負ってヒーハー言いながら登ってました。頂上からの景色も無茶苦茶いいわけではないので登山の装備をしていない場合は拝殿で折り返しましょう。
山頂近くの岩(御岩神社の巨岩)は震災によって通行止めになっています。どんな道なのかわからないのですが、安全のためなら仕方ありません。
山頂からは山側の景色が見えます。紅葉もそろそろ見納めですかね。
海側は残念ですがみえません。山頂はあまり広くはないので写真とってそそくさ退散します。
山頂は御神体なので火気厳禁、食事厳禁です。
神峰山からは日立の街と海を一望
日立の街は平地が少なく、街を囲むように山が連なり日立アルプスと呼ばれ整備されています。御岩山もその1つで、南にいけば日立アルプス最高峰の高鈴山(標高623m;花の百名山)があるのですがそちらには向かわず北側に行きます。
日立アルプスは時たま少し狭いところがありますが、アップダウンは多くなく歩きやすい道です。
御岩山をすぎると人はほとんどいなくなり淡々と歩くという感じです。紅葉も終わりかけですがまだ色づいているものもありました。
のんびり歩いて50分で神峰山(標高598m)に到着。
神峰山には神峰神社があります。
頂上からは日立の街とその先の太平洋が一望できます。
来た時は曇っていたのですが、晴れているともっと綺麗に見えるはずです。また、日立アルプスにはフォトスポットを紹介している立て看板もありました。
日立は銅山から発展した工業の街。今でも煙がもくもくと上がっている様子を観察できます。頂上には今でも煙を上げている大煙突の記念碑や鉱業による煙害対策のための観測所があります。
かみね公園までは展望のない稜線を歩く
神峰山から折り返して御岩神社に戻るのもありですが、今回は海へ向かって歩いていきます。あんまりエスケープルートがなくゴールまで8kmあるので自信がないかたは折り返したほうがいいでしょう。
基本的には先程までの道と同じでアップダウンの少ない道です。基本的に危険なところはないですが、たまに急な下りでもロープや鎖がないので注意して下りましょう。それにしても尾根線を歩いているのですが低山のため樹木が邪魔をして展望が開けないのでもどかしいです。
羽黒山(標高491m)到着。展望は残念ながらありません。
しばらく歩くと大煙突が見える展望スポットがあります。
大煙突は建設当初は115mありましたが折れてしまったので今では92mほどになっています。
羽黒山から次の鞍掛山までは1時間かかりました。時々巻道もあるのでアップダウンは回避できるところもありますが、1時間で数人としか会わなかったので淡々と歩いたといった感じ。
鞍掛山へはいったん道路におります。
道路は山と並行しているので登りたくなければ道をそのまま降りてしまってもいいでしょう。
鞍掛山からは北茨城の街や海を望むことができます。このあたりで大分晴れてきました。
下山すると目の前はかみね公園です。遊園地や動物園があり、海や夜景が綺麗に見えるスポットです。鞍掛山も歩いて10分ぐらいなのでのんびり散歩気分で登ってもいいでしょう。
海を見ながら坂を下って駅にゴール
かみね公園からは日立駅へのバスも出ているのですが、駅まで歩いても40分ぐらいなので、体力も残っていましたので歩いていきます。
かみね公園からくだるとすぐに海がみえます。
目の前に海も、山の上から見る海もいいですが、坂の下りの先にある海が1番きれいですね。
日立駅まで戻ってきました。
日立駅はほぼ海に面していて、ホームからは海は見えないのですが改札階から海が目の前に広がっています。
民家と道路の先はもう太平洋ですからね。海の近くにある駅はよくありますが、市の中心駅が海とすぐ近くは結構珍しいと思います。
日立駅にはコンビニやお土産屋も揃っていてさすが企業城下町といったところですが、なんといってもいっていっていただきたいところは駅直結のカフェ
日立駅にはシーバーズカフェというが直結されていて、全面ガラス張りで海が目の前に見えるので、インスタなんかによく出てくるカフェです。
3連休なので順番待ちしていました。中をちらっとみたのですがカウンターもあるので誰でも入りやすそうでした。メニューだけは写真とりました。価格も良心的でしたので結構人気があるのも頷けます。
あるところから見ると建物の先に海がすぐあるようにみえます。
(座っている人のほとんどはシーバーズカフェの待ち客)
太平洋に面しているので朝日が上がってくる時はものすごくきれいみたいですよ。
茨城の知らない魅力に気づくことができた山旅
茨城県は都道府県の魅力度ランキング最下位が常連で、今年ようやく最下位を脱し
42位になりました。確かに名所といわれるところはありますが、箱根や草津のような温泉地があるわけでもないし、テレビ局もないしで、取り分け東京に近い茨城南部民は水戸や日立のような県央、県北と呼ばれる地域は同じ県なのに東京にいくよりも頻度が低いです。私も転勤で茨城にきたのですが、水戸に行く回数よりも東京に行く回数のほうが圧倒的に多いですからね。
なので、大洗水族館や袋田の滝は知っていましたが、御岩神社は知らなかったですし(つくまで近くに自販機があるかどうか心配するレベルでした)し、日立駅の綺麗さもしりませんでした。
今年は感染症の影響で遠くに旅行よりも近くのところや同じ都道府県内で旅行というかたも多かったでしょう。私も今まで水戸にいったのは1回だけでしたが、今年だけで旅行で2回もいきました。同じ都道府県内でも知らないところって結構多いんだなということがわかった1年でもありました。6月にいった湯の澤鉱泉も知りませんでしたし。
地元ならまだしも引っ越してきた都道府県では有名所は知っていても、案外知らないところってあります。観光地にしろ温泉にしろ山にしろ有名なところもいいですが、こういうご時世ですし、近くでも知らないようなところいったらまた違う魅力に気づくことができたそんな山旅でした。