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Encourage of Climb  山登りと温泉への招待状

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大渋滞&マナー無視の紅葉の栗駒山ドキュメント。もう紅葉の栗駒山の登山客は限界では?

2021年10月3日。台風16号が過ぎ去った後の好天で栗駒山にいってきました。

 

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紅葉の栗駒山は一際美しく、色鮮やかなので多くの人で賑わうのですが、それとほぼ同時に緊急事態宣言も解除され、快晴であったためさらに多くの人が訪れたためなのかとんでもない人と車でごった返していました。簡単にいうと駐車場には止められない車が駐車禁止区域に止めてシャトルバスが動けなくなる。その結果酷い渋滞が発生して路線バスが動かない。という酷いことになっていました。

kahoku.news

まぁ、普段から栗駒山に登っているかたに話を聞いたらこんなに混んでいる栗駒山は初めてというぐらいの人出だったそうですが、私自身今まで経験した渋滞の中でもワースト1を争うぐらい全く動きませんでした。

今回栗駒山には路線バスの栗駒山紅葉号で向かったのですがその一部始終を紹介していきます。そしてバスの中、歩いている中で思った渋滞対策や原因を考えていたのでそちらも記載します。題名にも書きましたが、もう富士山のようにマイカー規制して自家用車は入れなくしないと人にも環境にもよくないと思います。

 

 

 

 

1.車中泊の登山者が駐車禁止区域や路肩に止めてしまう

 

まず最初に栗駒山の紅葉の時期の渋滞対策を紹介します(詳しくはこちらのサイトに載っています)

www.kurihara-kb.net

 

登山口の駐車場が満杯になり次第、3キロ下ったいこいの村くりこま跡地に臨時駐車場を設けてシャトルバスで輸送するとなっています。

 

2021年10月3日は日曜日でかつ好天予報(前日は曇り)+緊急事態宣言等解除+紅葉のちょうど見頃ということあって前日の夕方ぐらいから車が来始めたそうです。マイカー登山者であれば登山口の駐車場で車中泊をしたことあるって方も多いでしょうから、登山者としてはよくおこなう行為と言えるでしょう。中にはNGにしている駐車場もありますが栗駒山にはそのような規制は現在のところないので、私も前日から車中泊する行為自体が悪いとは思いません。ただ、なんと前日の夜9時には100台分の駐車スペースは満杯となったそうです。満杯となった場合3km離れたいこいの村跡地に駐車することになるのですが、深夜であったがため情報共有不足もありますし、いこいの村まで降りると3キロ歩くか(40分ぐらいかかったかな)シャトルバスに乗る必要があります。シャトルバス自体に料金はかからないようですが駐車料金が500円〜1000円かかるようです。ここで重要なのはいわかがみ平に車を止められない場合、いこいの村から歩いて登るか朝7時までのシャトルバスに乗る(当たり前だが並ぶ必要があり7時ぴったりに乗れる保証はない)、さらに駐車料金もかかると、せっかく前のりで来たのにいこいの村に車を止めるメリットがないんですよね。だからなのか本来の駐車スペースが埋まってしまうと路肩や駐禁スペースに車を止めてしまうということが起きてしまったのだと思います。

 

そして気づいた時には駐禁スペースには車が止まっていて、肝心のドライバーはすでに山にいっていて消息不明。車を動かしたくても動かせないからシャトルバスも動けない。しょうがなく、いこいの村に止めた登山者は3キロ歩いて山に向かうということになったそうです。

 

いこいの村のような少し下界に臨時駐車場を設けて、ピストン輸送するのはよくあることですが、問題点は以下のように道が一本しかないということです(画像は河北新報の記事より引用)。

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朝になるとさらに車が押し寄せるようになり、駐車待ちの車の渋滞に先ほどのシャトルバスの運行中断も相まって相当混雑していたことでしょう。ちょうど私は仙台から電車でバスが出る石越駅に向かっていたのですが、電車の中でも栗駒山に向かう人が半分以上を占めていてなんとなく嫌な感じがしてきました。そして駐車場も9時には満杯になりさらに下界のハイルザーム栗駒に誘導されるようになりました。

 

2.バスは4時間遅れの到着。粘れば上までいけることも大問題。

 

8時半にバスが出ている石越駅に到着しました。が、すでに多くの人が並んでいました。電車の本数決して多くないのに。

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9時少し前にバスが2台で到着。検温(ちゃんと見ているかどうか不明。やればいいでしょ的な感じでした)して乗り込みますが、当然立ち客も多く満杯で出発。途中の新幹線との接続駅であるくりこま高原駅で立ち客の方は別のバスに座っていけるとのことで乗り換えられました。ただ、くりこま高原駅から乗ってきた登山客はバス6〜7台分。バスは石越駅からの登山客含めてバス10台分の乗客を乗せて5分遅れでの出発となりました。立ち客もいましたが9割型座れていたのではないのでしょうか?

 

バスは順調に栗駒山へと向かっていたのですが、栗駒山の麓あたりでピタッっと動かなくなりました。10時15分ごろだったと思います。だいぶ手前の行者滝の駐車場ですでに先の駐車場が満杯だから引き返すように伝えていたみたいです。バスなのでもちろん先にいけるわけですが前が詰まっている関係で先に進めません。結局通過するのに30分ぐらいかかりました。その先は順調に登っていったのですが、またハイルザーム栗駒の大分前に止まってしまいました。2時間ずっと座っているので太ももがだいぶ痛くなったので、立ったり座ったりしている時に前を見たのですが乗用車がいました。乗用車は駐車場がなくて、てっきり手前の行者滝で門前払いされたもんだと思っていたのですが、後々登山者の会話を聞いてわかったのですが車を止めるのもいつになるかわからないことを承知の上強行突破できたそうです。だけどハイルザーム栗駒の駐車場も満杯なので車が降りてこない限り止めることができず結局大渋滞にはまってしまった形です。この頃にはいわかがみ平のシャトルバスも運行されるようになったそうです。

 

バスはちょっと動いては止まりを繰り返していますがなかなか着きません。途中で痺れを切らしたのか途中で降りる方もちらほら出てきました。歩いていわかがみ平、栗駒山を目指すわけですがいわかがみ平さえもまだ8キロあるような場所です。端的にいうとバスで待っているぐらいなら8キロの登り坂を歩いて行った方が早い(結果的にそうなってしまった)と判断できるぐらい動かない渋滞でした。かくゆう私も12時過ぎまでバスの中で粘りましたがいい加減にしてくれという若干の怒りからハイルザーム栗駒手前で降りました。まだ6キロありましたが歩いて登った方が早いと判断しましたが、降りた瞬間ハイルザーム栗駒から先の道がガラガラだったので後悔しました。いつバスに追い抜かれるかヒヤヒヤしながら本来であれば自分の足で登る必要がなかった舗装道を登っていきます。ただ、バスはおろか車もこない時も多く、来るときは何台かまとまってきます。また粘って上を目指せるのか上の駐車場が空いたら上に行かせるようやりとりしているのか不明です。

シャトルバスには何台も抜かされたのでバスの乗客はシャトルバスに乗り換えて向かったのかなと思いつつ結局路線バスに抜かれることなくいわかがみ平につきました。6キロの上り坂を1時間かけて登りました。だいぶペース上げて登りましたので普通に歩いたら1時間30分ぐらいかかりそうです。いこいの村を過ぎるといこいの村の駐車場に向かって歩いて下っている登山者も多かったです。シャトルバスは動いているのですがそれでも歩いて降りるのはいわかがみ平に着いたら納得しました。

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シャトルバスに乗る登山者達の大行列ができていました。シャトルバスも1台しかなく機能していないことがよくわかります。路線バスは結局到着時間を大幅に遅れて4時間以上遅れで到着したそうです。14時ごろいわかがみ平に到着したようで、なんでハイルザーム栗駒から先に行けなかったのかは不明です。帰りのバスは本来であれば15時5分にいわかがみ平を出るのですが、流石にそんなでは栗駒山を楽しめないということで特別対応ということで16時と17時発のバスが臨時で増便されたようです。バス会社の機敏な対応に感謝です。

 

帰り道は意外に空いていて登ってきたときの渋滞はいったいなんなんだって感じ。バスも時間通りにくりこま高原駅まで運んでくれましたが、バスの中は登ってきた人、バスに乗りすぎて疲れて登らず帰ることにした人など様々でした。

 

3.栗駒山の環境維持にはマイカー規制するしかないのでは

 

何人かと登山者と話したのですが、今回の栗駒山は過去1で酷いことになっていたそうです。原因は粘れば上の駐車場までいけるシステム、途中折り返すことができない一本道上に駐車場がある、モラルのない車中泊登山者など様々が組み合わさってとんでもないことが起きたわけですが、1番山に近いいわかがみ平に駐車できることが1番の問題だと思います。もう山頂へ向かう県道42号線はマイカー規制して上高地や富士山のようにシャトルバスやタクシーのみにする議論をした方がいいのではないでしょうか。栗駒山の紅葉人気は年々高まっていておそらく来年も同じような条件が重なればより酷いことになりそうです。具体的にはマイカー規制して一本道になるいわかがみ平やいこいの村跡地の駐車は禁止して、いっそのことくりこま高原駅周辺や金成IC周辺に臨時の駐車スペースを設けてタクシーなりシャトルバスなりで輸送する。シャトルバスはマイクロバスが多かったので大型バスを導入して輸送力を上げ駐車場には時間に応じてバスがスタンバイしているようにする必要があるかと思います。

公共交通機関も現状土日だけの運行なので平日にも拡大して登山者の分散を図ったほうがいいでしょう。

 

公共交通機関で勝ち組なのは毎日アルペン号を使って登山する(時間通りの運行っぽかった)のと、くりこま高原駅からタクシーを使うことのようでした。くりこま高原駅からタクシーを使う場合1万5000円ほどするようですが、4人で相乗りすればバスの運賃の2倍程度で済みますし、渋滞に巻き込まれたとはいえ11時過ぎにはいわかがみ平につけたようです。現状の施策が続くようなら晴天時はバスを使わずタクシーや毎日アルペン号を使ったほうがよさそうです。車なら平日に限るでしょう。

 

4.登山者のモラルも問題

 

今回シャトルバスが運行できなかった原因は本来駐車禁止スペースであるバスの停車場や路肩に車を止めてしまったことで、システムだけでなく登山者側にも原因があります。いわかがみ平の駐車場は特にルールがあるというわけではないみたいですが、テントを貼るだとか深夜大声で騒ぐなどという行為は車中泊ではNGであるわけですから、車中泊する場合でも周りに配慮する必要がありますし、路肩や駐禁スペースで止めることは論外です。

 

また、登山道でも本来立ち入り禁止の柵の中に入ってビニールシート座ってご飯を食べている登山客が多くいました。道端に座るのは迷惑千万ですが、だからといって柵の内側に入っていいという訳ではありません。なんのために柵が設けられているといいますと自然保護のためであり、その中に人間が入って荒らしてしまうと植生に響き、今見ている紅葉の景色にも影響が出てしまうかもしれません。

 

モラルとは若干違う気もしますが、軽装や登山装備を持っていないで登っている方も多くいました。私からしたらよくそんな格好で登ろうって思うな、服が汚れても大丈夫なのかなって思うのですが、栗駒山の標高は約1600mですし東北の真ん中という場所がら寒いか暑いかで聞かれたら間違いなく寒い部類に入る山です。稜線上に出ると風が強くて手袋が必要なぐらいの気温です。軽装で行って後悔するのはあなた自身ですので防寒着(ダウンやフリースなど)を用意するなど対策をとってください。登山用品は万単位の大金が必要ですが、栗駒山であればユニクロやワークマンなどで揃えても問題ありません。数千円程度である程度の品質のレインジャケットやフリースを買えますので登山にはあんまり行かないけど栗駒山の紅葉を見たいって方はユニクロやワークマンなど一度足を運んで見てはどうでしょうか?あとバス到着が遅れてしまったので仕方はありませんが、14時過ぎても登ってくる方が多かったです。秋になると日が暮れるのも早くなりますので自分の登山ペース見て折り返し地点を決めたり(無理に山頂に行かなくても紅葉は楽しめる)、ライトを持参するなど対策を忘れずに。

 

5.それでも栗駒山の紅葉は素晴らしい

 

今回バスが遅れに遅れて途中から歩き、いわかがみ平に3時間遅れにつきました。が、栗駒山の紅葉をちゃんと見たいということでいけるところまでいく(15時のバスに乗りたかったので間に合うような時間で折り返し)ことにしました。歩道は整備されているので歩きやすいですが、麓から歩いてきた影響でバテてペースが上がらず少し休んでしまいました。

 

少し開けた場所までくると見事な紅葉が広がっていました。

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あちらは東栗駒岳。本来であれば東栗駒岳から登るつもりでした。

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バスの中ではこんな状態ならこなきゃよかったって思いましたが、この景色を見てしまうときてよかったってなります。疲れが吹っ飛ぶ景色とはまさにこの景色のことを指していると言っても過言ではない素晴らしい景色でした。

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絶景を見ながら登っていきます。

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今回頂上まで登ることができなかったのでおそらく来年ないし再来年にはまた栗駒山に挑戦したいですね。その頃には少しでも渋滞対策やモラル対策ができていることを願っています。

 

 

※次の週から駐車禁止スペースにはバリケードが貼られたそうです。

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今回は週末パスを使って移動しました。

 

www.encourageofclimb.com

 

※ 2022.9.10追記

 

2022年の栗駒山ではついにいわかがみ平のマイカー規制が実施されるようになりました。期間は9月24日から10月16日までとなっています。

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終日のマイカー規制となるのでこれによっていわかがみ平での車中泊もできなくなり、いこいの村跡地の駐車場が最寄りとなります。いこいの森駐車場からはバスによる連絡になります(あるいは歩くか)バスの時刻も朝5時から運行するようなので早朝からの登山にも対応できます。

 

これによっていわかがみ平のバス転回はできそうなので多少はましになりそうですが、地駐車場に入るための渋滞は避けられないですし、旅行需要も前年と比べて明らかに高いので、栗駒山に向かうバスに乗る予定の方は最悪2時間以上の遅れは覚悟して、頂上踏めたらラッキーぐらいに思って栗駒山に向かった方が良さそうです。