奥久慈男体山は標高654mと標高だけでいったら低山の部類に入る山です。群馬,栃木と比べると高山もない茨城県内では割と標高が高い山ですが,関東近郊に住んでいて登山をしていてもなかなか目を向けることはないかと思います。ただ,奥久慈男体山は鎖場の多い山として有名で実際登って想像以上の鎖とロープで登っていく山でした。茨城に住むようになっていつかは登りたいなと思っていたのですがなかなか機会に恵まれず,ついに時は来たということで紅葉のこの時期登ってきました。
今回の行程
日時 11/13 土曜日
行程
西金駅7:34〜大円地駐車場8:34〜奥久慈男体山10:00〜男体山神社10:45〜上小川駅11:58
行き帰りの交通
人数 1人
駅から徒歩1時間のんびり里山あるき
ただ,圧倒的に車のほうが便利なのはいうまでもありません。ともいうのも
・JR水郡線は朝晩除いて2〜3時間に1本のみ
・登山口まで1時間以上(往復含めるの2時間以上‼︎)
というアクセスの悪さです。
登山口からは2時間程度で登れる山なのですが,往復かかる時間が結構あるせいか日帰りで容易に登れるのは上野駅から常磐線の始発に乗れる方だけです。
今回はJRのときわ路パスという乗り放題切符を使いました。
2180円で茨城県内のほぼ全ての鉄道に乗ることができる便利な切符です。水戸からの往復では元は取れませんが,水戸から県内外別の駅に帰る場合も茨城県内の1番端っこの駅まで使えるので確実に元がとれるはずです。
駅からは標識があるので標識に従ってひたすら山の中にわけ入っていきます。最初は整備されている道でしたが
すぐに車1台分の幅の道になってしまいました。
ただ,道は一本道なのでその点は安心ですし,道標もあります。
ただ,単調なので音楽聴きながら歩きました。登山する人の車もそれなりに通りますので無闇に車道に飛び出さないようにする必要はあります。途中には足湯に入れるスポットもあったのですが,時間外です。
そしてあと少しで林道終わりというところで遂に奥久慈男体山が姿を表します。
ゴツゴツした岩山でこれからどんな鎖場が待っているのでしょうか。ワクワクしてきます。
1時間弱で大円地の駐車場に到着しました。
トイレもありますし,登山届を出すポストもあります。茨城県の山は低山が多いので登山届ってどこに出せばいいの?って方も多いかと思いますのでちゃんと出しましょう。
トイレからも奥久慈男体山を望めましてさらにゴツさを感じます。紅葉もちょうど見頃の時期で黄色い山肌になっています。
大円地山荘という蕎麦屋さん(モンベルのフレンドショップでもあります)を通り過ぎて,
最初にある分岐が今後の登山を占うと言っても過言ではない分岐になります。
真っ直ぐ進むと一般コース,左に曲がると健脚コースとなります。これから私が進む健脚コースは鎖とロープが連続する道なので初心者の1人登山は避けてください。基本的に逃げ道は折り返すしかなく,以前山梨の瑞牆山に登りましたが瑞牆山よりも難易度は高いと登って思いました。
最初は鬱蒼とした沢沿いを歩きます。
この時点で結構急な登りなんですよ。写真じゃわかりずらいですが。沢を詰めて尾根線上にでるといよいよ本格的な鎖&ロープ地獄です。
いきなり最初がトラバースですか。
ただ,足場はしっかりしているのでロープ握っていれば怖さはほとんど感じませんでした。その後も鎖やロープとは基本的に一緒という感じで登っていきます。3点支持を意識しながら登っていきましたが,腕力だけで登ってしまったところもあったので今後の課題ですね。逆に言えば力でねじ伏せることのできる程度といったところでしょうか?初心者グループの鎖やロープの練習にはいいのかもしれません。そういうグループにも会いましたし。槍ヶ岳や穂高には登ったことはないですが,練習フィールドとして奥久慈男体山はいいのかもしれません。
最初の大きな鎖場を超えたところにあるのが奥久慈男体山で1番の展望スポットだと思います。
奥久慈の低山の先には筑波山。
晴れていたのでなんと富士山まで望めました。
直線距離でどれくらいあるんでしょうか?200キロ以上はあるかと思いますが,肉眼でもはっきり認識できる大きさです。
後ろには奥久慈男体山がドカっと座っています,まだまだあのてっぺんまで登る必要があります。
この先もロープ,鎖が続きますが写真を撮っている余裕はありませんでした。
奥久慈男体山に登頂
東屋が見えると頂上まではあと少し,最後のロープを抜けると山頂です。
山頂からも展望が広がっていて,筑波山や東海村の原子力発電所とその先に太平洋が見えました。
下は断崖絶壁なので恐怖を感じます。
というか見ないほうがいいと思います。
山頂には神社があり,下山の安全を祈願しました。
折り返し一般コースで下ると緩やかな尾根を下ることができるようですが,今回は一般コースに向かわず上小川駅の方面に向かいます。健脚コースで下るのは危険ですし,土日やシーズンは登りの人も多いのでやめておきましょう。
上小川駅までの道はさっきの健脚コースと比べると緩やかですが,時たまロープを使っておりる箇所もあるので慎重に降ります。
途中で袋田の滝方面の尾根道から降ります。この尾根道をずっと進むと月居山,
そして袋田の滝まで行けますが今回は袋田の滝は紅葉で絶対混んでいるのでパス。
ひたすら降ります。もう葉が落ちて冬に近づいてきていますね。
男体山神社まで戻ると舗装道に出ます。
最後に奥久慈男体山を望めます。西側から見るとゴツい岩山ではなくて緩やかに見えますね。
後は基本的に道歩き。途中で森の中に入るショートカットルートもありますので1時間ぐらいかけて駅に戻ります。今回カップラーメン持ってきたのですが,頂上付近は混んでいたのと誰も火器を使っていなくてご神体だからNGかと思い食べれなかったのでお腹が空いています。
国道まで出るとJAの直売所とファミマがあります。今年1コンビニを見つけて嬉しかったかも。肉まんとパンを買ってエネルギー補給。
上小川駅まで戻ってきてゴール。
駅前にはプリン屋さんがあります。
美味しそうなので中に入って買おうと思いましたが,誰もいませんでした。残念。
のんびりとした田舎の駅舎って長閑で風情を感じますよね。
水戸方面は2時間来ないので一旦常陸大子駅まで行って徒歩10分先にある道の駅奥久慈だいごに行ってご飯を食べることにしました。
駅前は以前訪れたときと比べて混んでいて紅葉の時期を感じさせます。道の駅も案の定といいますか混んでいて1時間待ちのようなので諦めて奥久慈しゃもの焼き鳥を食べることにしました。鶏肉も歯応えがありますし,何よりもコクがあります。
食べたかった親子丼はこちらです(2020年12月撮影)
とぼとぼ駅まで戻ってきて駅前の大子デパートというお土産屋で色々購入しました。この日は茨城県民の日だったので地域貢献です。
帰りの水郡線は袋田駅で立ち客でほぼ満員の状態で水戸駅まで向かいました。
奥久慈男体山の鎖場は低山いえども高度感のある鎖やロープ,トラバースがありますので慣れていない人は無理に登らず,慣れている人と一緒に登るべきかなと思います。ただ,かといってそこまで難易度は高くはないのかなと思います。体力があれば力でねじ伏せることもできますし,帰り道には鎖場を使わず降りることもできます。ただ,先にも書きましたが瑞牆山や伊豆ヶ岳の鎖場よりも難しいし恐怖感があるのは事実なのでまず最初はそちらで慣れてから登ったほうがいいでしょう。