八ヶ岳は南北に30キロ、東西に15キロ広がっている山々です。夏沢峠を境に南側は最高峰の赤岳をはじめとして岩稜の峰々が連なるアルペン的な景観が広がっていて、北側は苔の森や針葉樹が広がっている穏やかな山(とはいっても標高2000m以上ありますが)が広がっています。なのでアルペン的な登山をしたい方から、ちょっとしたハイキングまで誰もを魅了する山でもありますし、日帰りから長期縦走まで、豊富で魅力的な山小屋に泊まってもよし、テントを担いでテント泊をするのもよしという登り方も多種多様で楽しめる山です。
登山をちゃんと始めて4年目となりましたが、まだ訪れたことはなく行きたい行きたいと思っていて山と高原地図やガイドブックなどもかっていたのですがなかなか行くタイミングがなくて今回ついに行けるタイミングとなったので行くことにしました。というのも南アルプスの甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳を北沢峠でテントを構えて登るつもりでいたのですが、その前の週に至仏山を登って少し足を痛めてしまい、この足で南アルプスはキツイのではと思いたまたま白駒荘の予約を見たら空いていたので、じゃあエスケープルートもあって足の調子が悪ければ最悪白駒池の散策でもいいやというぐらいの気持ちで行くことにしました。足の調子自体はテーピングしておけば問題ない具合でしたので天狗岳に登ってきながら苔の森を堪能して、ついでに山小屋グルメを堪能する食い道楽の山旅となりました。
そしてちょうど88個目のブログ記事です。88個目で「八ヶ岳の記事になったのはたまたまですがなんか嬉しいです
- 1日目は白駒池までのハイキングと白駒荘の絶品グルメをいただく
- 2日目は天狗岳に登り、黒百合ヒュッテでビーフシチューを食べ、高見石小屋で揚げパンをいただく
- 3日目は予定変更で雨池でコーヒータイム
- 初めての八ヶ岳は想像以上にいい山でした。
1日目は白駒池までのハイキングと白駒荘の絶品グルメをいただく
新宿8時ちょうどのあずさ2号5号でいざ茅野へ。お盆休みの日曜日ということもあり、八王子出発地点で満員でした。
10時過ぎに茅野に到着。茅野からは本来の予定では南アルプスジオライナーに乗る予定でしたが、今回はアルピコ交通のバスへ。登山口の麦草峠までは1500円です。7日間有効の往復券を買うと安くなるのですが今回は別の登山口(八ヶ岳ロープウェイ)を使う予定なのでやめました。バスも結構混むのかなと思いましたが、私の他に2組しかいませんでした。みんな北アとか南アルプスとか目指しているのでしょうか?白駒荘も空いていましたし、夏の北八ヶ岳は狙いかもしれません。みんなアルプスいっちゃいますからね。
12時ちょっと前に麦草峠に到着。この時点で標高2120mなのでかなり涼しい(20℃ぐらい)。
コガネギクやゴマナが咲きほこっています。
身支度を整えて出発。麦草ヒュッテもありますのでお昼食べてもいいですが白駒荘で食べたいので我慢我慢。
今日の目的地は白駒池なので左ですね。
樹林帯の中を歩いて行くのですが、だんだんと苔の森となっていきます。
スギゴケやカモジゴケなど八ヶ岳には日本の苔の4分の1が生息しているそうです。
一旦森を抜けると白駒の奥庭と呼ばれる、いわゆる坪庭になります。周りは大きな樹木に囲まれた森なのでこの場所だけ視界が開けているのは不思議な感じです。
白駒の奥庭を過ぎると白駒池の駐車場からの登山道と合流します。幅広い木道になっているので非常に楽ですし、白駒池までであればスニーカーでも十分歩けます。
登山道の両脇にはカモジゴケが郡落しています。一面の緑なので美しい。屋久島に行った時ももののけの森に行きましたがここまで緑ではなかったような。
そんな感じで歩いているうちに白駒池に到着です。麦草峠からはわずか40分で今日の目的地に到着です。
本日からのお宿の白駒荘に荷物を置き、早速ランチにします。ランチはカレー、ガパオライス、ナンピザ、鍋焼きうどんから選べるのですがカレーにしました。
豪華‼︎2000円しますが、小鉢もサラダも飲み物もデザートもつくのでこのぐらいの料金も納得です。カレーは最初甘く後から辛さがでてくるのでずっと食べていたい味ですし、小鉢やサラダの野菜はほぼ全て自家農園で作られているとか。なのか、瑞々しいですし、変な苦味とかはありません。
お昼食べてもまだ13時30分。なので白駒池の散歩をしました。白駒池は1周約30〜40分ほどで歩けます。基本的に木道なので歩きやすいですが、ところどころ壊れかけているところもあるのでヒヤリとします。
やはり苔の森が広がっています。
池が見えなくなってくるともののけの森と呼ばれる場所になります。一面緑が広がっていてキレイです。郡状しているのはムツデチョウチンゴケです。
1周歩いたらお風呂入り、あとはゴロゴロ明日の計画立てて過ごしました。携帯の電波は入らないのですがたまには電波や情報から隔離される生活もいいでしょう。峠や白駒池の入口まで行くと電波繋がるので何か用事があればそこまで5分とか10分とか行けます。
夕食もとても豪華でメインはしゃぶしゃぶでした。飲み物は白駒のシンデレラを頼みました。自家製野菜がメインなので野菜不足を補えますし、新鮮なので苦味がなくて美味しい。お腹いっぱいになりました。
詳しい宿泊記録はこちらをご覧ください
2日目は天狗岳に登り、黒百合ヒュッテでビーフシチューを食べ、高見石小屋で揚げパンをいただく
白駒荘の朝食も品数豊富です。
これだけ食べればエネルギー補給も大してしなくてもいいでしょう。
2日目は色々悩みましたが天気よかったので天狗岳に行くことにしました。不要な荷物は白駒荘に置いていって、登っていきます。
高見の森と呼ばれる苔の森です。雰囲気も少し今までの苔の森とはちょっと違うような気がします。岩に苔がついているのであんまり触らないようにしながら岩を踏み少しずつ登っていきます。25分ほどで高見石小屋に到着。すぐ近くに高見石がありますのでちょっとだけ登りました。
これから登っていく中山です。なだらかですがその分結構距離がありそうです。
高見石からはオゴジョの森まで一旦わずかに下りて、250mほど登っていきます。
苔の森は美しいですが、
苔の森以外の展望はないですし、岩が多いし歩きづらいです。だんだんと勾配も急になってきて写真を撮る気にもなりませんでした。
登り切ると平坦になり木道も出てきます。
木道を通り過ぎると中山展望台と呼ばれる場所に到着です。岩が露岩している広々とした場所で北アルプスも見えるみたいですが曇っていて見えませんでした。
展望のない中山を過ぎると
にゅうの山頂が見えてきます。紅葉の綺麗な時期に登りにいきたいですね。
一旦下って緩やかな道を歩いて行くと天狗岳が見えてきます。
今日はあそこまで登っていきます。この天気なら大丈夫そうですね。
中山峠に到着。みどり池方面、黒百合ヒュッテ方面との分岐になります。
中山峠からは岩が露出している道やなだらかな道などを歩きながら少しずつ標高をまた上げていきます。
天狗岳もより大きくなってきました。
後ろにはさっき登った中山です。
大きな岩を登っていきます。両手両足使いながら足の置き場に注意しながら登っていけばそんな問題はありませんが自分の進んでいる方向が合っているのかどうかは不安になります。
黒百合ヒュッテも小さく見えています。
黒百合ヒュッテからの道と合流したあと、道なりに進んで尾根を登っていたら傾斜が急なトラバース地帯にいってしまい少し進みましたが、後ろにいた人がいなかったのと天狗岳に行く道でこんな急なところはないのではと思い引き返したらちゃんとした登山道を見つけました。事前にある程度登山道も下調べしておくとこういうことも無くなるのかなと思います。普通の登山道は少しだけ急なところがある程度で注意しながら登っていけば問題ありません。
白駒池から3時間ほどで東天狗岳に登頂。
向こうに見えるのは西天狗岳です。
さっきまで晴れていましたが登り切った頃には曇っていたので展望はありませんでした。この展望で西天狗岳いっても大して展望期待できませんのでそそくさと降りることにしました。
この先もまだまだ根石岳、夏沢峠を越えて硫黄岳と縦走路は続いています。
下りで怪我する危険が高いので慎重に下っていきます。安全第一で下っていきましょう。
黒百合ヒュッテへの分岐からは別の道に行くことにします。ガレた急坂です。
ちょっと平坦な場所が見えてきました。あそこまで頑張ればと思いました。
平坦な場所は天狗の奥庭と呼ばれるところで岩がゴロゴロしていて地形図上では平坦なのですが、微妙なアップダウンと岩で全くスピードが上がりませんし疲れます。
岩の急坂を下り始めて1時間と5分黒百合ヒュッテに到着です。現在改修中のため写真は撮れていません。黒百合ヒュッテと言ったらビーフシチュー。王道のビーフシチューといった感じで、肉も柔らかく、具材もほどほどに入っています。疲れた体に沁みます。
あとは再び高見石小屋から白駒池へ帰るだけです。中山への登りを登っていた時にアカゲラを発見しました。
中山からの下りは想像通り時間がかかります。滑るし、下りなのに全然進まない。だいたいコースタイムぐらいで下りました。
高見石小屋に着き、揚げパン(2個で400円)とコケモモジュースをいただきます。
高見石小屋の喫茶営業は14時までで今の時間が13時45分。西天狗岳にいっていたり、黒百合ヒュッテでサラダとか食べていたら間に合っていなかったでしょう。そういう意味では西天狗岳に行かなかったことや、単品のビーフシチューにした甲斐がありました。
揚げパンは写真の抹茶とココアの他に、チーズや黒胡麻、きなこが選べます。外はサクッとしていて中はふわふわのパンですし、手は汚れますが抹茶やココアパウダーもよく合います。コケモモジュースも甘さの中にちょっとだけ酸味もあり疲れが取れます。
美味しくいただいたところでザックをデポして再び高見石に登ってみました。高見石のあたりは晴れていて、白駒池が綺麗に見えました。このあたりだけピンポイントで晴れているみたいです。
帰りは少し遠回りしてカモシカの森を通って帰りました。
こちらの道は木道の箇所も多く、歩きやすかったです。
白駒荘まで戻り、お風呂入った後のソフトクリームは格別です。
2日目の夕食はさらに豪華になっていました。すき焼きですし、ハンバーグもあります。さらに連泊特典でフルーツカクテルもいただきました。正直腹一杯で辛いぐらいまで食べました。
3日目は予定変更で雨池でコーヒータイム
3日目が1番天気が良いと登る前に事前に調べた段階でなっていましたが曇天です。予定では、麦草峠を越えて縞枯山に行こうと思いましたが展望も期待できなさそうなので諦めて雨池を見にいきながら天候が回復したら縞枯山か北横岳に登ろうと思います。
白駒池の苔の道ともお別れです。
白駒池入口からは舗装路を登っていき本当の麦草峠(2127m;登山口的な麦草峠は少し下って2120mにある)を越えていきスタート地点をすぎ、茶水の池になります。ちょっとした池ですね。
木道の両サイドは苔の森が広がっていてこちらの森も凄かったです。
キノコは八ヶ岳で見ないことはなかったですが道に生えているのは珍しかったので撮影しました。
地獄谷と呼ばれる場所も登山道から少し外れた場所にあるのでいってみましたが凹地になっているのですね。
そしてまた岩の道です。岩の道は滑るしどうしてもスピードが出ないです。普段はコースタイムの0.8〜0.9ぐらいで歩きますが岩の下りだけはコースタイムかそれ以上かかってしまいます。
一旦林道に出て、
木道に入ります(木道の入口は草ボウボウでした)。木道ですが、ところどころこんな風に崩壊している場所があります。
木道を歩いていくと雨池に到着です。
想像以上に大きくて開放的。雨があんまり降っていないと枯れてしまうみたいですが、水が干上がっていなくてよかった。
今日登るはずだった縞枯山も見えました。というか晴れています。山の方は曇っているので登っていても景色は望めなかったかな。
いい天気なので休憩がてらコーヒータイムとしました。一周して北側から雨池を望みます。昨日登った中山が見えました。
雨池からは再び林道に出て北八ヶ岳ロープウェイ方面へと歩きます。新道ができていて急斜面ですが階段などが整備されていて歩きやすかったです。
木道が出てくるともうキツい登りはありません。
雨池峠は縞枯山と雨池山の間の峠です。
段々と縞枯山荘の大きな青い屋根が見えてきました。
あとはスニーカーでも歩ける木道で、途中で坪庭からの道と合流して北八ヶ岳ロープウェイの駅で登山終了です。
この後、北横岳行こうかと思いましたがこの天気ではいってもしょうがないので諦めました。バスの時間もありますし。
ロープウェイで麓まで降りて構内のパン屋でカレーパンとあんクロを買って食い道楽ツアーも終了です。
お風呂は蓼科の小斎の湯というところにしました。料金は700円ですが、迷路のような場所で、
露天風呂からは蓼科湖そして南アルプスが望めました。
バスが来るまで休憩室でゆっくりできるのもいい点です。冷房はないですが標高が高い分室温も25℃で快適でした。
初めての八ヶ岳は想像以上にいい山でした。
前からいきたいと思っていた八ヶ岳に登れて白駒荘のクオリティも天狗岳の雄大さも、苔の森の美しさも想像以上に素晴らしかったです。まだまだ主峰の赤岳をはじめ登っていない稜線も多いですのでまた時期を変えて訪れて、いつかちゃんと縦走したいですね。