九州の百名山の久住山。くじゅう連山と呼ばれる山々には湿原の穏やかさや火山の荒々しい姿、阿蘇山を始めとする九州の山々を一望できるなど多くの魅力があります。
そしてなんといっても山腹に温泉があることも魅力でしょう。くじゅう連山の一つ三俣山の山腹にある法華院温泉山荘は標高1303mとあり九州1標高の高い温泉であり歩いてでしか行くことのできない温泉です。
もちろん宿泊することができ山小屋として使うことができます。温泉がついている山小屋は珍しく、PEAKSの10月号にも紹介されています。
今回久住山に登った時に宿泊したのでレポートしたいと思います。私が宿泊したのは2020年9月の4連休のことです。
部屋は1人でも個室使用可、硫酸塩泉の温泉を楽しめる
法華院温泉山荘も緊急なんちゃら中は他の山小屋同様休業していました。が、緊急なんちゃらが解除された今では山小屋自体は営業されています。ただし、キャンプ場とバンガローについてはコロナとは関係なく2020年7月に起きた豪雨によって土石流が流れてきた影響で休止となっています。
山荘の宿泊料金ですが、1泊2食で
・特別室 12000円
・個室 11000円
・大部屋 10000円
となっていました。通常は山小屋なので予約なしでも泊まれるのですが、今は予約が必須となっています。
1人でも個室に泊まれることはもちろん特別室にも宿泊可能です。特別室と個室の違いは
・鍵をかけることができる
・コンセントと暖房がついている
・角部屋
だそうです。ここに1000円の価値があると感じるなら特別室にしてもいいと思います。
かくいう私は1番安い大部屋で予約をしたつもりでした。が、例のアレの影響か個室にしてくれたようです。この日の宿泊者は4連休の初日でしたが少なかったのか大部屋の宿泊者はいませんでしたね。かといって大部屋が感染対策されていた様子もなかったのでそもそも大部屋は営業していないのかもしれません(2020年9月では)。
扉を開いて通常通り受付の他に検温が実施されます。また、下記写真のような誓約書も書かされました。

こちらは部屋などで書いて後で受付前のポストに投函する形になっています。
部屋は
山小屋なので6畳の畳と布団、カーテンというシンプルです。毛布はコロナ対策でついていません(今はあるのかな)。私が宿泊した時も寒くてフリースとウールの長袖Tシャツ着て寝たので秋〜春先までの季節は防寒対策をして宿泊した方がいいでしょう。
また、枕カバーも自分で回収してBOXに入れる必要があります。その隣はシーリングライトのリモコンになっています。シーリングライトは布団の中で操作できるので動きたくない時(とりわけ寒い時)には本当に最高の文明の利器だと思うんですよね。
過去に宿泊したかたの日記帳なんかもあるので記念に書いておくのもいいかもしれませんね。
部屋からは坊がつるが見えます。

宿泊案内には、当たり前ですがマスク着用が書かれています。入浴時間も通常は朝7時までやっているみたいですが、14時〜21時30分までとなっています。
流しにはアルコールスプレーがあります。トイレは隣同士がくっついて利用できないようになっていました。
部屋で軽く人休みした後お風呂に向かいます。
個室から行く場合は一旦談話室を通り外に出て、缶ビール自動販売機酒類販売店の横を通って向かいます。食堂の中を通っていくことも可能なのですが例のアレの影響で食堂は必要最低限を除いて入室できません。通路として使うことはできなくなさそうですが、外を通っていくことがが基本になっています。
お風呂は外来の日帰り入浴も可能です(500円)。坊がつるでキャンプしている方は歩いて5分ぐらいなので多くの方が訪れていました。なので日中はひっきりなしに混みます!!
日帰り入浴の場合おすすめの時間は18時から18時30分ぐらい。この時間は宿では夕食の時間で宿泊者のほとんどは夕食を食べます。なので人数が少なくなって狙い目です。
逆に日帰り入浴の方は20時までですので20時から21時30分までは宿泊者専用ですので宿泊者はこの時間を狙っていくのがいいでしょう。この際、外扉は閉まっているので食堂を通っていきます。

脱衣所も互い違いに利用できるようになっています。日中は宿泊客、キャンプ場でテント泊する方で賑わっていました。のでしたが、夜は日帰り利用不可で他の宿泊客の方もおらず1人でした。
お風呂は少し白みかかった色です。泉質は硫酸塩泉、泉温は43.2℃、pH6.9です。もちろん源泉掛け流し(冬は加温するみたいですが)。
少しヌルッとした感覚のするお湯で、ほんのりと硫化水素臭(温泉に入ってるって感じがする匂い)がしてとても良い湯です。また、温度が暑すぎず寒すぎずの適温すぎて人数制限がなければいつまでも入っていれるような温度でした。
ただ、山の中の温泉のため環境保護の観点からシャンプーや石鹸といったものは使用できませんし、お湯も出ないので身体を洗うのは相当大変(冬は尚更です)。なので湯の花なのか人の垢なのかなんなのかわからないのですが結構浮遊物が漂っていましたね。これは尾瀬の山小屋にもあったことなのでいかに身体を洗うという行為がお風呂をきれいにしてくれるのかということに感心します。
外にウッドデッキがあり外に出て涼むことも可能です。ただし、周りからものすごく見えるので(下半身は隠せますが場所によっては・・)涼むには相当の覚悟が必要です。

お風呂から出たらビールの自販機が。これは酒好きは問答無用で買ってしまいそうです。しかも主要ビールメーカーの酒は全て揃っているのがまたすごい。価格もスーパードライ350mlで350円ですから山小屋なんかと比較したら安すぎるレベルです。

さらに食堂側にはプレモルのマスターズドリームもあります。生憎売り切れでしたが。こちらの自販機にはレモンサワーや菊水、さらには黒霧島まであります。どれも価格は良心的。
館内設備は必要十分なものが揃っている
外にはソフトドリンクの自販機もありますので私のようなあんまり酒を飲まない方でも飲み物に困ることはありません。

九重町のキャラクターミヤちゃんがいます。価格も160円〜200円と旅館と同じぐらいの金額です。なお、隣のゴミ箱は法華院山荘で買った飲み物は捨てることができますが、自分で持ってきたものは自分で持って帰るルールになっています。
宿泊受付をするところは売店にもなっています。
百名山バッチやTシャツ
もちろん食品類も充実した品数ですしタバコもあります。
昼食メニューもあります。
お風呂場の2階(大部屋方面)に登ってみます。
くじゅうの大船山方面が一望できる展望室には双眼鏡もあります。


坊がつるや法華院温泉山荘は山と食欲と私の10巻にも登場しています。なので鮎美ちゃんが‼︎九州限定ポスターです‼︎
また、NHKで紹介された坊がつる賛歌の1番から10番まで飾られていました。
談話室は暖房あり、乾燥室ありになっています。こちらは基本は通常通り利用可で晴れたときは外に出ろということで閉鎖されるようです。私がきた時は曇りでしたので開いていました。夕食を自炊する場合はこちらで食べるのかと思います。この日は団体さんがもつ鍋を作っていたようで通るたびに鍋のいい匂いが漂ってきました。博多いったら食べたい。
食事は山小屋にしては豪華
部屋の中でKindleで読書しながらゴロゴロしていたら夕食の時間になりました。食事は食堂でいただきます。夕食は18時から、朝食は6時45分からとなっていました。
食堂内では例のアレによる影響なのか不明ですがあらかじめ席は決められていました。自分の場所を見つけるのに結構時間がかかってしまいました笑。座席は皆が同じ方向に向いて座って食事をします。なお、食事時の給茶用のヤカンは共用となっています。気になる方はアルコールスプレーや除菌シートを持ってきた方がいいかもしれません。
食事は食券を渡して呼ばれた順に食事をとりにいき各々食べるスタイルです。
待ち時間はマンガや雑誌、山関係の本があるのでそちらを自由に読むことができます。山と食欲と私、ヤマノススメ、岳といった山に関係するマンガはもちろんありましたし、ゆるキャンや2人ソロキャンプといったキャンプマンガもありました。かくゆう私はmonoの1巻がありましたのでそちらを読んで過ごしていました。ただし、食事後は清掃・消毒する必要があるので読めるのは食事の時だけになってしまいました。

ご飯はおかわり自由で、売店や自販機で購入したお酒や飲み物を持ち寄って飲むことは可能です。
朝食も同じ場所に同じように座り、同じく呼ばれたら食事を持って行きます。
ご飯に味噌汁、ゴーヤの酢の物、冷奴に海苔とシンプルながらも量は多いです。おでんはカレー風味の味で非常に美味しかったです。カレーにおでんってあんまり合わないのかなと思いましたが意外にあう!!
くじゅうの山を登る時は是非泊まってほしい山小屋
朝食後は支度をしてすぐに出発しました。アレが蔓延っている中での宿泊でしたが全員個室を使うことができたので(たまたまかもしれませんが)そこまで感染のリスクを気にすることなく宿泊することができました。恐らくどこの旅館や宿泊施設でやっていることをやっているかとは思うようなことをやっています。ただ、毛布がないとか少しやりすぎなのかと思うところもあったのも事実です。
山登りで汗をかいた後に入る温泉は気持ちがいいものですし、食事も山小屋とは思えないぐらい美味し買ったです。
くじゅう連山は日帰りでも楽しめる山ですが、法華院温泉山荘に泊まることで山の中でのんびりできますし、日帰りでは行きづらい大船山などに行くさいも便利な山小屋です。くじゅうの山を楽しむ時は是非泊まってもらいたい山です。