encourageofclimb 山登りへの招待状

Encourage of Climb  山登りと温泉への招待状

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なぜ巷では苦しいことは嫌なのに登山やランニングをする人が多いのか考えてみた

ラソンというと学生だったとき嫌いな行事のカテゴリーがあったら、間違いなく1位を争う行事であるでしょう。というか数年前のマイナビニュースの調査では圧倒的大差をつけて1位となっています。

 

news.mynavi.jp

 

なぜ嫌がれているマラソン大会が各地にあり、山登りやハイキングに興じるのか

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学生の頃、嫌で仕方なかったマラソンですが、今では多くの町で大規模参加型のマラソンが開かれています。そして、東京マラソン大阪マラソンといった有名マラソンだと抽選で当選しないと走れないほどの人気の大会も数多いです。子どもの頃は走りたくなかったのに、大人になってからは多くの人が好き好んでマラソン大会に参加するのははっきりいって矛盾しています。しかも参加料も安いものでも数千円、東京マラソンクラスの大規模大会となると参加料で数万円かかる大会もあります。学生の時のマラソン大会で走らされた時、お小遣いもらったから頑張るとかあるいはお小遣いもらいっても嫌って方も多かったでしょう。しかし、超一流のランナーでない限りマラソン走ってお金はもらえず、普通の大人のマラソンランナーがもらえるものは精々参加賞や奇跡的に当たる抽選券でしょう。なのに大人になったら決して安くない金額を払ってまでも自ら苦しい世界に入っていきます。

 

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登山に関しても学校行事でやらないところもありますが、山に登るというのはマラソンと同じでいつ頂上に着くかわからない、苦しいものです。むしろマラソンよりも長時間登り高度も高いのでより苦しさを感じたり、当然汚くもなりますし、危険な箇所もあったりします。実際、学校部活としての登山部は少子化の影響もありますが年々減少していています。しかし、大人になるとわざわざ苦しくて汚くもなり、危険な山の世界に入っていく方も多いでしょう(少なくともこのブログを読んでいる方はそうであるはず)。

 

ラソンもそうですし、山もそうですがいつからマラソンや登山を始めたのかという質問に対して昔からやっていたという方は少なく、大人になってから始めたという方がほとんどです。

 

ラソン大会やトレラン大会の申し込みでおなじみのランネットの調査ではマラソン歴10年以下の人でおよそ7割となっています。

runnet.jp

 

調査属性見てみると40〜50歳代が大半なので、多くの人が大人になり仕事をするようになってからマラソンに打ち込み始めたのがわかります。

 

山に関しても長野県が以下のような調査を発表しています。

https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangakusounan/kentou/documents/06shiryou3.pdf

 

登山歴は20代で7割、30代で4割の方が2年以下となっています。年齢とともに登山歴は長くなっていますが大人から始める趣味であることがわかります。

 

なぜ子どもの頃嫌だったマラソンや登山に大人はのめり込むのか?

 

ここまでをまとめると子どもの頃はマラソンも登山も好きではなくむしろ嫌なものだったが、大人になったら何故かお金を払ってまでもやってしまう。つまりそれだけマラソンや登山には大人が楽しいと思えるものがあるからです。何で大人になったらわざわざお金払っても辛いことをしていくのでしょうか?

 

1. 必要に駆られてかつ気軽に始められる

 

ジョギングやハイキングを始めたきっかけで上位なのは健康増進です。大人になると自分から動かないと運動するなんてことしないですし、何も気にしなくてもよかった子どもの頃と比べると健康にも気を遣っていくようになります。忙しいけど身体動かさないととか健康診断で悪い数値が出てしまった、ダイエットしたいなどといった理由でジョギングやハイキングをするようになり、徐々にランニングや登山の世界にのめり込んでいくのではないのでしょうか?

 

ただ、スポーツは数多ありますがなぜランニングや登山なのでしょうか?

子どもの頃はみんなで集まってサッカーや野球をしていたと思いますが大人になったらそうはいきません。サッカーに代表する球技をしたければ何人か集める必要がありますし、おいそれと1人でできるスポーツではありません。なんらかのクラブやサークルに入って活動していく必要があります。

その点ランニングや登山は1人でもすぐに始められますし、家の近所(山は難しいですが)でもすぐにできます。用具も揃えやすいですし、挫折しても(してほしくはないですが)デメリットは大きくありません。また、クラブやサークルに入っても活動はできますが、入らなくても遜色なく活動できるはずです。

 

2.あくまで自己評価スポーツ

 

子どもの頃のマラソン大会で嫌なのは何もただただ辛いからではないと思います。マラソンをしている限り、順位付けがされてその順位を元に成績評価が下されます。これは体育にもいえますし他の教科でも言えることなのですが、できる人は評価されますが(授業態度が多少悪くても)できていないものはいくら個人で努力しようが評価されないのが現実です。鈍足で50m走るのに10秒かかったのが体育の授業中練習して8秒まで上がったのに上には6秒台がゴロゴロいるからすごい努力しても8秒なりの評価しか下されません(これはこれで学校教育の問題だと思う)。そしてできない人は学校でいびられ、バカにされる。こんなことをされては嫌なものはどんどん嫌になってやりたくなくなってしまう。山登りだってそう。クラス全員で一致団結して登りましょうとかいっても、体力がないと足を引っ張ってしまい到着時間が遅くなりクラス中から罵られる。途中で引き返すなんてことをしたら下手したらクラスでの居場所がなくなってしまってもおかしくはない。そんな学校生活なので体育がある日は学校に行きたくなくなったりしてしまいます。

 

ただ、大人のマラソン大会は全く違います。学校のマラソン大会と一緒で順位はつきますが、自分が何位かなんてトップエリートクラスでない限り気にしないでしょう。むしろ何時間で走り切るとか制限時間を守るといった時間に意識が向いていくでしょう。5時間切って目標達成とかそんな感じ。この目標も誰が決めるでもなく自分が決めるし、仮に遅かったとしても誰にもバカにされない。むしろ完走しただけでも褒められるのが大人のマラソンです。

 

登山に関しても同様で、山を登る時に足の引っ張り合いなんてことをすることはないし、仮に撤退なんてことになっても咎める人は恐らくいない。もちろん速さや時間が評価されることはなくて登っただけで評価される。次どの山に登ろうかというのも自分が決めてかつ目標も明確かつ成果物(頂上からの景色など)もハッキリしているなので達成感も味わいやすい。

 

登山にしろマラソンにしろ目標を決めるのは上司でもなければ親でもなく自分自身(もしくは一緒にいく知り合い)なので目標が成功したかどうかも評価を下すのも自分自身なので成果も得やすいといったところでしょうか。

 

3.趣味を楽しみながら旅もできる

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ラソン大会は地元では年に数回しかないし、大きい大会となると必然的に別の地域さらには海外まで足を伸ばして参加している人もいます。もちろん地元の大会も応援があったり、身近なところを走れるなど魅力はありますが、いつか東京マラソンに挑戦したいという気持ちを持っているランナーは多いはずです。 山登りに関しても地元の山だけ満足って方はあまりおらず日本百名山など有名な山は北海道から九州まであるので必然的に遠くにも行きますし、中には海外登山にも挑戦する人がいます。

遠くまで行けばただ、走るだけや山に登るだけに留まらずせっかくなら観光したいとなるのが人間の性だと思います。自分の趣味を楽しみながら旅行もできるのは一石二鳥といってもいいでしょう。私も九州まで山登りした時に由布院で温泉宿も満喫しましたし、博多で本場のモツ鍋を堪能できました。

私は球技の活動をしていないので詳しいことはわからないのですが、試合で遠くまで遠征って大人の活動ではあんまりないかなと思っています。せいぜい合宿ぐらいでしょうか?プロ野球Jリーグのファンでアウェイゲームの遠征はよくあることでしょうがスポーツ観戦とするスポーツは別だと思っているので。

 

目標設定もしやすく、成果として現れればより一層頑張れる。マラソンや登山にはそういう要素がある

 

これからの時代、外で活動することにはおおいな魅力があり、外でできて適度な強度のある運動(サイクリング)などは人気が出ているようで、この前新しいクロスバイクに新調しようとしたらなんと納車に3ヶ月ほどかかるみたいです。自転車に限らず、サーフィンやダイビングなどのマリンスポーツも盛況のようです。やはりどちらも共通しているのは目標設定がしやすい(〜km走るとか、綺麗な魚みるとか)そして成果として現れるところです。人間である以上無謀な目標や終わりのない目標(〜ゼロとか)では最初は頑張れてもすぐ挫折してしまいます。そして、頑張っても評価されずさらには他の人はもっと早いんだからもっと頑張れではいくら頑張ってできるように努力しても嫌になってしまいます。学校体育ではこういうことを堂々とやっているので運動神経がよくない限りは嫌いになってしまうのです。

だから学校行事嫌いなものNo.1のマラソンも大人になると目標管理にも縛れず、自由にできるし、しかも走れば走るほど成果が出るから多くの人が最初はダイエットや日々の運動不足が理由だったのにいつのまにかハマってしまう.登山も同様で速さを評価されるわけではなくてどこに登ったかとかが評価されて、山頂という明確な目標もあるし、山の風景といった成果物もある。だから、どんどん飲み込まれていくのだ。

嫌だったものでも目標達成できると楽しいものだ!!