鹿島槍ヶ岳は標高2889mで端麗な姿の双璧峰です。
日本百名山にも選定されています。去年登ろうとしていたのですが生憎の台風がきて中止にせざるを得ませんでした。なので、今回はそのリベンジ登山となります。
鹿島槍ヶ岳には一般的には扇沢から爺ヶ岳を経て登っていくのが一般的、他にも赤岩尾根からの直登ルートや五竜岳からの八峰キレットのルートもあります。日帰りは難しく、稜線上にある種池山荘や冷池山荘に1泊ないし2泊して登るのが一般的です。今回は1日目は種池山荘まで登ってテント張って、2日目はピストンで鹿島槍ヶ岳まで登頂、3日目はまたテント担いで降りるというスケジュールで登っていくことにしました。
1日目 テント泊の重さに耐えながら種池山荘のピザを頬張る
8月9日の深夜の毎日新聞社。登山者にとってはお馴染みの毎日あるぺん号の発着場所がスタート地点です。まずは深夜バスに乗って登山口である扇沢に行きます。3列シートだったので隣に人がいることなく快適に寝ることができたような。いつもよりかはですが。梓川SAまで記憶ないので、その後もうとうとしながら扇沢の停留所まで行けました。
ここで問題が発生。おトイレに行きたくなりました。15分登った場所にあるアルペンルート側まで行けばトイレがあるので仕方ないので歩きます。ザックはデポしていきましたが、この登りが意外にキツい。登山最後にまた登ることになるのですが今から思うとどうなることやらって感じ。無事おトイレ済ませて、登山届を出して出発します。
柏原新道と呼ばれる扇沢から種池山荘まで繋ぐ登山道は比較的歩きやすいと言われています。確かに勾配もあるところはありますが、整備されているのでめちゃくちゃ歩きやすい。ちょっと急な箇所があったあとは緩やかになっている感じ。歩きやすいんですけど、テント泊の荷物背負って登っているので歩きやすい=楽というわけではなく純粋に高度を上げていく作業はキツい。この日は曇りで登っている時は雨が降っていました。樹林帯だったのでレインジャケッ着ることなく歩くことができたのが唯一の救いかな。扇沢駅も霧がかかっています。
ケルンでしばし休憩。
テント泊の荷物が重すぎて途中休憩入れないとやってられません。途中途中で目印になるところがあるので目標にもしやすいです。
途中でモゾっとした音が聞こえたのでなんだと思ったら、くそデカいカエルでした。
唯一の難所のカールは登りは別になんともないです。
下りはちょっと怖いかなって思ったぐらいで全くもって問題なかったです。途中で野葡萄発見。
ここまで天気も悪かったのでほとんど写真撮らずに種池山荘まで登ってきました。1番最後の鉄砲坂が1番キツくて完全にバテバテでした。
余力があればその先の冷池山荘まで行こうと思いましたが、天気も良くないしってことで種池山荘でテント張ります。
小屋で受付して、この時に事前に紙にて受付用紙を印刷しておく必要があったので竹橋のファミマで印刷しておいて、日程のところだけペン持っておいていつでも書けるようにしておきました。
テント場は山荘から130歩(歩いて1分ぐらい)のところにあります。ルールは写真の通りです。早速、残った体力を振り絞ってテント貼りました。
テントの中で少し寝てから、テント場の周辺を散策しました。種池山荘の名前の由来となった種池ですかね。
10時から12時まで(種池山荘に宿泊する人はさらに14時からも実施)は期間限定かつ枚数限定でピザを食べることができます。
もちろんいただきましたとも。
チーズ、玉ねぎ、トマトソース、サラミというオードソックスなピザなのですが、かなり美味い。生地が薄いクリスピー状ですがもっちりしていて食べ応えもあります。気づいたら半分以上食べてしまっていたので、少し名残惜しいかのように最後はゆっくり食べました。
この日は一瞬雲が切れる時がありますが、周りは全く見えずっていう天気。
雨が降っていないのが唯一の救いなのか、後はテントに引きこもって漫画読んだり、寝たりしながら過ごしていましたよ。
夕食は北海道で買ったスープカレーと味噌汁。
19時過ぎに眠くなって気づいたらそのまま寝ていました。
2日目、絶好の天気の中鹿島槍まで歩く
2日目は周りがゴソゴソしていた中4時ちょっと前に起床。テントから出ると一面星空が広がっていました。Google pixelの夜景モードでもこんだけ星が見えます。
いい加減三脚買って星空モードで撮影してみたい。
伊豆で買った桜エビと金目鯛の雑炊を食べて、おトイレに行きながら山荘の前で写真撮影。
針の木岳かな。
大町方面の光とその先には八ヶ岳、富士山、南アルプスと一望です。
西側は鳴沢岳や赤沢岳、奥には立山が見えます。
テント泊の人も山小屋泊の人も皆さん外に出て撮影タイムですね。
おトイレからは鹿島槍ヶ岳も見えました。
今からあそこに行きます。ちなみにおトイレは和式。山小屋のおトイレって感じです。篭っていると匂いが服についてしまいます。5時になったので水を1リットル山小屋で補充して(テント泊の方には1リットル無料で貰えます。
まずは、目の前に聳える爺ヶ岳に向かって登っていきます。
歩いて5分ぐらいのところで朝日に照らされた劔岳が見えました‼︎
これからは劔と一緒に登っていくことになります。岩と雪の殿堂の劔ですが、このあたりから見るとそこまで急峻さは感じないかな。
左に鹿島槍、
右には槍ヶ岳や穂高連峰
後ろに劔という最高のロケーションの中爺ヶ岳まで登っていきます。急登ですが、水と防寒着と貴重品しかもってきていないから昨日までの装備と比べると楽々。
鹿島槍と劔も同時に写真に収めることができました。
爺ヶ岳には後で登ることにするのでまずは巻道を通って先を急ぐことにします。
この日はアホみたいな快晴で山の日はこうでなくちゃいけないという天気でした。なのに、夜明けに出発したから日焼け止め塗り忘れるという失態を犯して時計していた箇所とそうでない箇所でくっきり分かれてしまいました。
進路を北に変えたので今度は左側に劔岳を見ながら冷池乗越に向かって下っていきます。
小さく見える建物が冷池山荘です。
種池山荘とそこまで標高差があるわけでないですが、爺ヶ岳がある分一旦登って下んなんとつかないのでショートカットできないのかと斜面見ていましたが急すぎて無理ですね。
乗越は過ぎましたがまだまだ下ります。
少しずつ鹿島槍が近くなってきましたよ。
一旦樹林帯の中に入りますが、その中に鞍部があり最後また登って冷池山荘に到着。
暑くて水補給しようと思いましたが、ヘリの荷揚げをしていてとてもじゃないけど、話しかけられる余裕はなさそうです。途中の登山道で山荘の関係者の方と話しましたが、天気が良いこの日に全て荷揚げしてしまおうということから朝5時からヘリがひっきりなしに飛び回っているとのことでした。まだ、余裕もあるので少しだけ休憩してまた登ります。
冷池山荘からちょっと登った先にあるのが冷池テント場。このテント場からは立山や劔岳を一望できます。
こんないい天気になるのなら(登る前からある程度予想していたけど)冷池まで頑張ってテント担いでくればと思いましたが、重さには敵わないのでまあいいでしょう。
しばらく緩やかに登っていきますが、鹿島槍を攻略する前に布引山に登る必要があります。布引山までの方が急峻なのでここが踏ん張りどころ。逆に言えば布引山まで登ってしまえば後はなんとかなります。
後ろを振り返ると爺ヶ岳と針の木岳、ひょっこりと槍ヶ岳も見えますね。
少しずつ休憩を挟みながらですが布引山まで登頂。
そうすると後は鹿島槍だけになります。
高山植物を愛でながら最後踏ん張ったら、
鹿島槍ヶ岳南峰に登頂。
鹿島槍は北峰もありそちらまで往復1時間コースなのと、吊り尾根で急峻になるので今回はパス。冷池でテント張っていればいけましたが、種池山荘からの往復だと8時間コースなので南峰までにしておこう。というか南峰までで十分な景色が広がっていますよ。
今まで見てきた剱岳はもちろんですが、
この先にも後立山連峰の五竜岳や唐松岳とその間の八峰キレット。
日本海も見えますね。
南側にはこれまで通ってきた稜線と大町や安曇野の市街地、富士山に八ヶ岳、南アルプス、
槍も穂高も見えてます。
東側には鹿島槍北峰、妙高山、火打山などなど
このほかにも白山や浅間山などなど中日本の百名山は大抵見れるのかというぐらい見えましたよ。頂上も広くてこのひは風もなかったので休憩にも最適でした。
30分ぐらい動画撮ったり、写真撮ったりしていました。
下山している途中ぐらいから東側から雲が出てきましたね。早めに動いていてよかった。
目の前に爺ヶ岳とその先に槍を見ながら下っていきますよ。
何もいうことはないですよ。剱岳の方はまだまだ雲出ていないので相変わらず美しい姿を見せてくれます。
鹿島槍にも雲がやってきていますね。このあたりは街の方から雲が来ることが多くて、朝9時過ぎぐらいですが、こんな感じでした。山は早出早着に限ります。
10時ちょっと前には冷池山荘に戻ってきました。もう暑過ぎて暑過ぎていろいろ辛い。水も尽きかけていたのでポカリを購入(500円)。5分ぐらいで飲み終えましたよ。ただ、小屋の目の前は日陰で石ベンチがあったので休憩中も暑さを耐え凌ぐことができました。携帯の電波も4Gが途切れることなく接続できましたので
水も1リットル200円で購入できるので水を補充して、再びの爺ヶ岳登山となります。
途中の樹林帯でゴソゴソっていう音が聞こえたので熊かそれとも雷鳥か?ってオドオドしていたら猿でした。結構な群れで斜面を勢いよく駆け降りていました。
冷池乗越からの劔もなかなかのもの。
右には種池山荘が見えるようになってきました。
爺ヶ岳南峰と立山劔を見ていきながらなんとか頑張って登ってきました。
謎にくり抜かれた看板跡。今となってはインスタ映えを狙っているかのようです。
爺ヶ岳は南峰、中峰、北峰の3峰からなっていて、最高峰は真ん中の中峰です。北峰は巻く感じで登れません。今回は南峰だけ登りました。だって登山道から近いのが南峰なので。体力というよりも正直鹿島槍からの展望が素晴らしくて爺ヶ岳のぼんなくてもいいやってなってしまいました。
爺ヶ岳は二百名山にも選ばれていて日帰りでも登ることができる山なので爺ヶ岳目当てに登ってもいいですね。種池山荘につながっていく稜線とその先の立山と剱岳。
鹿島槍も雲でちょっと見えなくなっていますがギリギリなんとかもっています。
後は下りるだけですが、こんな稜線はたまったもんじゃないですね。鹿島槍にきてよかったって思えて、より一層登山に励んでいきたいと思えるような景色です。
コースタイム8時間でしたが、荷物が軽かったからか休憩込みで7時間ちょっとで戻ってこれました。
普段は絶対飲まないコーラ飲んで着替えて、テント泊の料金を払って、お汁粉とお茶が身体に染み渡ります。
山の日ということもあって多くの登山者さんが休憩していましたよ。種池山荘は携帯の電波がそこまでよくなく、山荘前のスペースでわずかに繋がる程度でした。大分雲が出てきてしまったのでテントに戻って引き篭りタイム。
4時過ぎに一旦雲が取れたので爺ヶ岳を見にいきました。ちょっと歩くといい感じに爺ヶ岳とその稜線が写真に収まります。
5分歩けば鹿島槍も見えますよ。雲が取れました。
山の日なのでテント場は満員御礼。土日などの特定日は予約必須なので予約しておきましょう。
この日は旭川で買った青葉のラーメンに無印の野菜と久世福の地鶏をぶち込んだ醤油ラーメン
美味しいけどスープ飲むのは辛いですね。今後のテント泊での食事では考えないといけないです。
3日目は下るだけ
3日目も朝は昨日と同じぐらいの快晴です。
ただ、昨日は見えていた八ヶ岳とか富士山が見えてないから昨日と比べるとよくないですね。周りの人が朝2時ぐらいからゴソゴソやっていて目が覚めてそこから寝れなくなってしまったので起きることにしました。ただ、これから爺ヶ岳まで行っても日の出は望めないような微妙な時間だったのでとっととテント片付けて帰ることにしました。暑くない時間に下りたかったのと、変な時間に下りると登って来る人とすれ違うことが多くなって時間がかかってしまうから
柏原新道は色々工夫されていて岩肌が露出している箇所とか水平な箇所とかあって飽きないです。下っていてもそれを感じます。
登っている時は全く見えなかった鳴沢岳とか赤沢岳とか見えました。下っているので正直そこまで感動はないですが。
ガレバ、水平道、黄金岬と進んでいき、駅見岬で扇沢の駅を発見。
八ツ見ベンチから先は展望もほとんどなくなるので暑さも相まって下っていても苦しいところ。下山は休憩込みで2時間30分ほどで下山しました。ただ、ここから先扇沢までの登り返しがあります。あらかじめ登っていたのが功を奏したのか苦しいのはわかっていましたし、そこまでではなかったですね。むしろいつ終わるかわからない八ツ見ベンチから先の方が辛かった。
帰りは途中の大町温泉でバスを降りて、大町温泉薬師の湯で3日振りの風呂です。昔ながらの旧館と広い新館の2ヶ所を入ることができるのですが旧館は朝10時からということもあったので新館に入ります。ザック置き場もあるので公共交通機関ユーザーでも安心。
お昼は信濃大町駅前にある豚のさんぽという二郎系のお店行こうと思いましたが、閉店していました。なので電車乗って松本にいき、駅前の榑木野さんへ。天ぷらそばもいいですが、ふと目にしてしまった季節限定の海鮮かき揚げぶっかけ蕎麦にしました。
松本には美味しい蕎麦屋がいっぱいありますが、榑木野の喉越しと噛みごたえが1番好きかな。スタバで充電して、珈琲喫茶アベに行こうとしたら予想以上の行列でタリーズに逃げ込んだりして、いつものゲストハウスのタビシロに宿泊。
色々説明受けましたが、なんか実家に戻ってきてどこにトイレがあってとか説明受けているような感じ。スタッフも変わっていてまたバーで楽しい時間過ごせました。
鹿島槍ヶ岳は南峰までであれば展望のいい稜線歩きと沢山の山を望むことができる素晴らしい山です。体力さえあれば余裕でしょう。日帰り難しいので1泊するのが普通ですが、余裕持たせて2泊だとより楽しめますね。山登りって楽しいって思える